GEオイル&ガスによるOPMテクノロジー採用


GEオイル&ガス、LUMEX採用の意味

先日のGEに関するネタですが、ちょっと掘り下げてみます。

GE Oil & Gas Uses 3D Printing to Produce Control Valve Parts at Kariwa Plant

GE Oil & GasはGEのエネルギー部門ですね。
この会社がどれくらの規模で、日本法人のみでの話なのか、本社も絡んでいるのかは不明です。
この文面を見る限る、当面「日本法人」での利用らしいですね。
自分が驚いたのは、GEが松浦を採用したって事実です。
「は?」って思うでしょ?
でも、これがマイクロソフトとかグーグルなら驚かないんです。
逆だろ!
いや、逆ではないんです。
グーグルがOPM250LやLUMEXを採用しても、「まあそうだろうな」って思うと思いますが、GEはEOSや3Dシステムズの3Dプリンタを持ってて、すでにジェット機のエンジン部品とかを造形してるんです。

別会社とは言えグループ企業ですから、当然、実績のある製品を使って金属を造形するのが「普通」じゃないですか?
しかし、敢えて、GEは「MATSUURA LUMEX」を選択したんです。
その理由を自分はいくつか考えました。

  • 一つは、「日本製」であること
  • 一つは、「高精度」であること
  • 一つは、「金型」でも利用できること

日本製であること

この表現はどちらかというと、「日本製で”あった”こと」というのが正しい表現かもしれないですね。
おそらく、LUMEXやOPM250Lが存在していなければ、3Dシステムズ社製を利用していたんじゃないですか?
しかし、日本でも同じ金属3DPが存在することがわかり、テストをしたものと思います。
GEから部品を調達して作るよりも安く購入できる、しかもメイドインジャパンだと。

高精度であること

たぶん、LUMEXの精度は以前よりも上がってるものと推察されます。
特にバルブは「超高精度」が要求されるため、OPMテクノロジーでなければ「要求水準」を満たすことは不可能だったかもしれないですね。

金型でも利用できること。

この記事の文面には、金型への利用も明記されてます。
現状「金型」に関して言えば、OPMテクノロジーが世界標準ですから、「金型」での利用を念頭に置いた選択であったのは間違いなです。

現在GEグループは世界で最も3Dプリンターを活用している企業だと言われています。
その企業グループがOPMテクノロジーを採用した事実が何を意味するのか、誰にもで理解できますよね。
その精度や速度等のメリットは随時本社へ方向されます。
当然、その上位機種のOPM250Lもターゲットになります。
日本では、まだほとんど理解されてませんが、すでにOPMテクノロジーは世界を席捲してます。
でもなぜか「表」には出ませんよね。
すごい技術はそのまま、「企業秘密」だということでしょうか。
逆に、なんでGEがこの事実を公表したんだろうと思うぐらいです。
自分がGEの責任者なら、ライバル企業には教えたくない情報ですからね。

OPMにとっては「売上」以上に大きな意義のある採用だと思います。
当然、ソディックにとっても。

GEオイル&ガスによるOPMテクノロジー採用」への7件のフィードバック

  1. こんばんは。
    もとパッパさんのおかげで、ワクワクする毎日です。

    ヤフー板にもURLを貼り付けましたが、この記事で面白いと思ったのは、この一文。
    「彼らはまず、樹脂用の3Dプリンターで積層造形の適用可能性を探りました」
    http://gereports.jp/post/112115220854/kariwa-3d-printing

    いきなり金属3Dプリンタを導入するのでは無く、試作品用に樹脂プリンタを導入するのは、良いアイデアだと思いました。
    サービスビューロがこのアイデアの一端を担うとは思うですが・・・

    とにかく松浦が頑張っているのは嬉しいニュース。
    金属3Dプリンタの有用性がニュースになって、そして最終的にコスト削減のために機種を選択して行く流れが出来上がることをワクワクしながら待ちたいと思います。

    これからも宜しくお願いします。

    1. こんばんは。
      いやーすばらしいサイト教えて頂き感謝です。
      GEとは言うものの、実際には純日本企業ですね。
      ただ、OPM250Lの精度の高さを知れば、もっと違う感想をもったかもしれませんね。
      松浦が頑張ることは、OPMやソディックにとっても、有益ですから、応援してます。

  2. もとぱっぱさん、今晩は
    OPM250Lが今回採用されなかったのは他社からの引き合いが多すぎて供給できなかったのではと思ったのですが。どうなんでしょうね?

    いつも楽しみにして読ませて頂いております。
    これからもお願いします。

    1. いや、単純にOPM250Lが発売される前からテストしていたからだと思いますよ。
      こういった商品は、すぐに現場で使える訳じゃないですから。
      それと、やはり情報力の問題もあると思います。

      1. ご返信有り難うこざいます。
        成る程、そうですね。
        もうひとつすいませんが、情報力の差とは
        どの様な事でしょうか?

        1. こんにちは。
          世界のGEと言えども、精度、スピード、造形金属の強度、コンフォーマルクーリング技術の修得度と言った、種々の条件までは比較してないと思います。
          おそらく、GEがテストしていた段階でも、同種の製品としてOPM250Lの存在を知っていたならば、それも選択対象になり得た可能性もあります。
          まあ、でも実際にテストしてて、いきなり違う装置を使うのもちょっとあれですけどね。
          それに、この会社は一応GEグループとは言え、実際には純粋な日本企業ですから。
          その辺のドライさはないでしょうね。

          1. 有難うございます。理解できました。
            OPM250Lの方がLUMEXよりも性能面で勝っていると言われていますが、
            もとぱっぱさんのおっしゃるようにLUMEXの精度、上がっているのでしょうね。勝ち目がなければ松浦もソディックの傘下に入るのではと思います。
            なんにせよ、両社とも頑張っていただきたいです。

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