月別アーカイブ: 2015年3月

テスラが3Dプリンターを使う理由

テスラとフォックスコンとOPM

以下の内容は旧ブログの内容について、加筆したものです。
今後ブレイクするであろう、テスラモータースの3Dプリンターに対する考えを紹介した内容です。
ほとんどの人は、まったく知らない内容であると思いますが、テスラ・フォックスコン・OPMラインが描くビジョンが詳しく書かれています。

テスラモータースとは

前情報がなければ、なんのこっちゃって話になりますので、少しばかりテスラに関する情報を。
テスラとは、イーロンマスク氏率いるベンチャー企業で、電気自動車を製造販売してます。
このマスクという人物は、スティーブジョブスの生まれ変わりではないかと言われるぐらいのカリスマ性を持ってて、今後アメリカの製造業を代表する企業になるかもしれないってぐらい注目されてます。
基本的にIT出身ですから、自動車というよりも「走るスマホ」のイメージを持った方が分かりやすいかもしれませんね。
将来的ビジョンは「空飛ぶ自動車」らしい。。
アップルやその他のIT企業からテスラにドンドン人が流出している事実からも、この会社の末恐ろしさが分かります。
まあ、それは置いといて、実際にテスラは市販車ベースの電気自動車を製造販売してまして、今後メチャメチャ伸びると予測されてます。
ざっくりすぎる説明ですけど、要は、これから物凄い可能性を持った自動車メーカーってことです。

テスラはOPMテクノロジーを利用してるっぽい

OPMに関しては、あまりにも材料が多いので、投資家目線的には、少しお腹いっぱいかもしれないですね。
でも、ひとつの読み物としてはおもしろいと思います。

昨年のIPFでの社長とのやり取りで「テスラ」の話題になりました。
ほとんどの人はこの部分はスルーするネタかもしれないですけど、将来的な可能性で言うと、HP・アップル等のIT関連以上の相手です。
なんせ、電気自動車はガソリン車以上にプラスチック比率が高くなります。
そのため、利用される金型も多い。
さらには、金属を直接造形する部分もあるため、「金属3DP」にとってはまさに、ビッグマーケットです。
但し、今後多くの国内メーカーも電気自動車市場にドンドン進出してきますから、特にテスラに拘る必要はないんですけど、テスラが金型を含めた金属3DPをどう考えているのかを知ることは、ソディックOPMの成長を予測する上で重要な要素だと思います。
それで、そのIPF2014での話ですけど、実際にはこんな感じでした。

パッパ : 先日、フォックスコンがテスラへの部品供給のための工場を建てるって話がありました。その部品は3Dプリンターで作るんですか?

社長  : ああ、あれは自分が考えて提案した。

そんなあっさりとw
何をどう提案したのかはまったく不明ですが、少なくとも、テスラがOPMテクノロジーを利用してるっぽいということは理解できました。
その件以来、自分でも情報を探して回って、何回か記事にしています。
今回はその中で、テスラが3Dプリンターをどのように活用するのかが書かれたフォーラムがありましたので紹介したいと思います。

自動車・炭素繊維・3Dプリンターとの関係性

http://www.teslamotors.com/sv_SE/forum/forums/3d-printing-carbon-fiber-auto-industry

掻い摘んで言うと、以下の内容です。

  • 自動車部品は、今後炭素繊維が使われるようになる。
  • しかし、炭素繊維の加工方法は「金型の造形に時間を要し」、現在でも「労働集約的」方法である
  • そのため生産ラインの変更に数週間掛ることになる
  • この問題を解決するため、ハードシェルの部分は3DCADで設計する
  • これらの問題を解決するためには、すべての自動化、ロボット化、及び3Dプリンターの大型が必須となる

言わんとするところは、炭素繊維は自動車には必須であるが、現状では、そのための金型の問題や製造工程において、労働集約的であり問題が多い。
それを解決するためにはすべてを自動化するとともに3Dプリンターの大型化が必須となる。
って書いてます。

それで、これに対する大半の意見の多くは、今後の方向性として、生産ラインの多くに3Dプリンターを活用していくことは間違いなく、サイクルタイムの短縮にも貢献するが、サイズとスピードが問題だと。

これに対してのテスラ側の見解
ほとんどの意見には賛同しており、以下の説明が代表的な見解になってます。

———————————
Meaning that if a process for automating building with carbon fiber can be developed then many different designs could be fabricated on the same assembly line.
The factory in essence then is one big 3D printer.
Again to DTsea you are correct but the drawback of machine stamping of parts has nothing to do with accuracy or the properties of the finished parts or even the speed in which the are manufactured.
The drawback is the immense expense of retooling every time you want to roll out a new model.
The opportunity with carbon fiber in the possibility that you wouldn’t need significant retooling in order to manufacture different models and that in fact you might be able to build one off models or manufacture individual cars on demand.
———————————

もし、炭素繊維で作られる自動車のプロセスが多くの異なるデザインを一つの組み立てラインで生産することができるならば、それはひとつの巨大な3Dプリンターの工場と言えます。
この意味するところは、従来からの生産方法を、すべてデジタル化することで、ひとつの生産ラインで、すべての自動車を生産することが可能となる。
今の生産ラインの問題は、モデルごとに発生する生産ラインの組み替えによる、莫大な費用だ。
炭素繊維を使える可能性として、生産ラインの組み替えなく、オンデマンドで自動車を生産することが可能になるかもしれない。
———————————————–

ただひとつ言えることは、テスラが考える工場とは、ひとつの生産ラインですべてのモデルを生産することで、そこの中には3Dプリンターとロボットしかいないというものです。

今更、従来工法で造形した金型を使うことはないし、金属部分も可能か限り3Dプリンターを活用するつもりだということです。
テスラがフォックスコンと提携した時点で、テリーゴウ氏の頭の中は森本社長の顔が浮かんだんじゃないですか?
テスラの工場がひとつの巨大な3Dプリンターだという発想である以上、その部品は必然的に3Dプリンターで造形された金型になるであろうし、金属部品も、3Dプリンターで造形される可能性が高くなる。
プラスチック造形までも3Dプリンターってのは、精度的・速度的に早計ですね。

オンデマンドで自動車を作るということは、在庫を持たないということになりますから。
さらに、金属3DPが高速化大型化すると、よりこの傾向は強くなってきます。

結論として、「早くOPM600L出せよ!テスラが全部買ってやるから」って感じ? ← 妄想全開wwwwww
まあ、テスラがOPMテクノロジーを活用してるかもしれないって考えただけで、酒が旨いです。

世界最強コラボ「OPM250L+CFRTP対応V-LINE射出成形機」

ソディックはOPM250Lだけじゃないぞ!

まあ、板はお祭り騒ぎのようで、今日一日ぐらいはいいのかな?って感じです。
株価はマーケットで決まりますが、今日自分が気にしていたのは「出来高」。
この価格は圧倒的に出来高が多いレンジです。
つまり、信用売りも買いも、ここに集中してますから、そう簡単に上抜けすることはないです。
だから、端からストップ高なんて期待してないし、しない方が絶対にいいと思ってました。
信用整理の方が重要です。
今日の出来高で、おそらく昨年来の信用整理は終了したように感じてます。

さて、東証一部へ昇格した場合、企業側と投資家側には双方にメリットがあります。
投資家からすると、言わずと知れた「INDEX」ですね。
GPIF対象となりますから、逆に思惑で買われることになります。
さらには、ソディックは国策中の国策銘柄で「ものつくり日本」の中心的存在ですから、GPIFからしても投資対象にしやすいのではないかと、淡い期待を持っています。
まあ、そんなことを期待するよりも、実際にここが大化銘柄だと一般投資家に認知してもらった方が、よほど価値があります。
そして、ソディックにとっても大いにメリットはあります。
・ 対外的信用
・ 従業員のモチベーション
・ 安定株主の増加

少なくとも自分が思うにメリットの方が圧倒的に多いと思いますよ。
とりあえず、一部昇格の感想はここまで。
それでは、今日の本題です。

ソディックはCFRP/CFRTPの隠れた関連企業

どうすれば、ソディック+OPMの可能性を上手く説明できるのか、本当に難しいですね。
特性上、どうしても技術的な話にならざる得ないですからね。
ここのブログでも、何度も同じ内容の説明をするのは、テーマを理解してもらうためには繰り返ししかないと思ってるためです。
それで、今日のテーマは、ソディック一部昇格記念として「CFRP及びCFRTP」を取り上げます。
今までずっと、OPM中心でしたけど、今日はこのテーマを少しだけ掘り下げます。

今年の大テーマ、炭素繊維強化プラスチック

以前から声高に叫んでますけど、なんでこれが大テーマになるのか。
わかりやすいのは「東レがボーイング社から1兆円規模の受注」ですかね。
CFRPはとても軽くて丈夫なんですけど、かなり高価です。
しかし、それでもボーイング社はその素材を採用したんです。
理由は簡単ですね。
軽くすることで燃費が格段に良くなりますから、ランニングコストを考えれば、絶対にその方がメリット大きい。
そして、同じ理由で今年から「自動車業界」にもその流れが来てます。
フォルクスバーゲン・アウディ・BMW等のドイツ勢はすでに市販者ベースで炭素繊維樹脂を採用しました。
まあ、高級車だからできるってことかもしれないですけど。
しかし、この流れを世界中の自動車メーカーが追随してます。
そのため、東レだけでなく、三菱レイヨン・帝人等の繊維の巨人達は、この分野を最大のターゲットに研究開発を進めています。
なんせ、マーケットが尋常じゃないですから。

そして最近(でもないですが)ではCFRPとは違って熱可塑性樹脂を母材としたCFRTPの開発が進んでいます。
CFRPよりも安価で素材を溶かして冷やし固めることが可能となる素材で、こちらの方が、量産性に優れています。
それで、そのCFRTPとソディックとはどんな関係なのかですが。
昨年来、何度も自分はソディックのIRに対し、この問題を投げ掛けてまいりました。
その度に丁寧な説明を頂戴しており、旧ブログにもそれは載せてます。
実は、ソディックには、OPM250Lとセットでの販売を目指す装置にV-LINE射出成形機があります。
OPM250Lばかりにスポットが当たりますけど、ソディックのもう一つの目的が、このCFRTPを射出成形できる装置の販売です。
そのために、IPF始め、すべての展示会で「炭素繊維系プラスチック用」の射出成形機を出品しています。
この装置の凄いところは、「CFRP及びCFRTP専用」の射出成形機ではなく、既存の装置にセット可能はアタッチメント仕様にしているところです。
今後益々膨らむ需要ですから、既存の装置がそれを使えないのではいかにも問題がありますよね。
東芝機械が「CFRTP」を混練し射出できる装置を発表しましたけど、ソディックは専用機でないところがすばらしい。
しかしながら、ソディックがCFRTP関連企業との認識はマーケットは「ゼロ」ですよ。
この辺りの宣伝下手は本当になんとかしてほしい。
しかし、よく調べればソディックはこの分野へ本気で参入するつもりであり、もしかすると、すでに装置が販売されているかもしれません。
射出成形分野はソディックの弱点と言われてましたが、これがうまく採用されるようになると、OPM250Lとの相乗効果がさらに高まります。
それも、最大のターゲットとしている「自動車業界」で。

なんでOPM250Lとの相乗効果が期待できるのか?

ソディックのパンフレットって基本的に業界人向けですから、なんで相乗効果が期待できるのかってわざわざ説明してません。しかし、私どものような素人は、その意味を俄に理解することは不可能です。
そこで、その理由を簡単に説明します。
知ってる方は読み流してください。
OPM250Lの主な造形対象は「金型」です。
そして、ソディックの開発した射出成形機はOPM250Lが造形した「金型」を使ってプラスチック等を成形します。
そのため、企業内にこの2種類の装置があれば、金型から部品までの一貫生産が可能となるため、「相乗効果」が期待できるってことです。
「なーんだ、そんなことなら誰でも知ってる」って言われそうですが、ちょっと待ってください。
実は、そんな単純な話でもないかもしれないですよ。
パッパ的発想は、もう少し先に行ってます。
この「CFRTP」なる素材は、長繊維(1mm)のまま成形しなくてならない素材なんです。
もし、射出成形時にそれが短くなると、「強度」がなくなって「製品」にならない。
そのため、v-LINEはその状態を保持したまま、射出することが極めて重要な要素になる。
また、V-LINEから射出された「CFRTP」は金型に収まった際、金型内部の温度を上げたり下げたりしながら「成形」する必要があるんです。
これは、様々な文献に書かれてあります。
だから、「CFRTP」用の金型は「温度」管理ができないと「使えない」ってことになりますよね。
そこで重要になるのが、「コンフォーマルクーリングテクノロジー」なんです。
ご存知のようにOPM250Lで造形した金型には「コンフォーマルクーリング」を配することができます。
それも、OPMのノウハウが詰まった水管です。
この水管を利用することで、金型内部の温度管理が可能になる。
但し、自動車で使う大型の部品はもう少し先になるでしょうね

理解できました?
簡単にまとめると以下のような感じ。

  • 1 自動車業界では炭素系樹脂のCFRTPが主流になる
  • 2 CFRTPを成形するためには、「温度管理」が必須だ
  • 3 2を実現するためには金型内部に3次元水管を配する必要がある
  • 4 CFRTPを射出成形できる装置が必要になる

自動車業界で利用する金型+射出成形、その役割を担う本命はズバリ!

「OPM250L+V-LINE」のコラボだ!

であってほしいなあ。
あくまでも可能性の話ですよ。

森本社長との取材対談 公開します!(祝一部鞍替え)

一応ホットな話題について一言書き加えます。
今日の東証一部昇格のニュースが突然飛び込んできましたね。
自分的な感想は一投資家として素直に嬉しいです。
但し、その理由は単に株が騰がるということ以上に、世間に認知される。
あるいは、投資家層がまったく違ってくる。
「投機家」ではなく「投資家」が増えるってことですね。
おそらく、海外の見る目も違うでしょうから、極めてポジティブな出来事です。
まあ、今まで散々辛酸舐めてきたホルダー諸氏には、心から祝福したいと思います。
特に、ここの読者の方々は、多少なりとも自分を信じて、ここを投資対象にしてくださった訳ですから、その点が一番うれしいですね。
でも、まだ、これはスタート地点に立っただけです。
ファンダだけを見ても明らかに安く叩かれてる部分があります。
その面からも見直しされればうれしいですね。
さあ、次はいよいよ真打登場ですよ。
これ以上のインパクトになることは確実です。
あとは時間の問題です。

そろそろ公開してもいいタイミングになったと思いますので、すべて書きます。
実は、この内容については、反響が大きすぎ、当面公開することを控えておりました。
しかし、ソディックの株価も落ち着きましたので、ここら辺はが公開にはちょうどいいと判断しました。
但し、内容について、昔からの投資家の方にとっては新鮮なものとは言えないので、あしからず。
それでは、時間を約半年前にタイムスリップします。

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morimomoto.CEO VS Pappa
@ IPF2014

いよいよIPF2014が始まりました。
11時30分に幕張メッセ到着。
幕張メッセ1から8会場全部を利用しての展示会は始めて見ました。
会場1から歩きはじめ、目的のソディックは会場6。
しかしながら、会場は閑散。。超暇そうw
それで、6会場に入り、早速ソディックブースへ。


おお!メチャメチャ人がいるではないか!
それで目的のOPM250Lの説明箇所へ行くと、なんと自分だけw
さっそく、担当をつかまえて金属3DP談義。確認したことは以下の4点。

  • ? 造形時間
  • ? V−LINE射出成形との関係
  • ? 従来工法との兼ね合い
  • ? サービスビューロの役割

結果として、これら4つに関しては、以前自分がブログで書いた内容を周到してました。

? 造形時間について

10cm×10cm×10cmで2日ぐらい。
ミーリング精度は0.2程度。
0.1という高精度にするためには、別工程が必要。

? V-LINEとの関係

実際に見てもらわないとわからないと言われまして、明後日のデモで何かしらの仕掛けがあるみたい。
これに関しては森本社長も同じことを言ってました。

楽しみですね。

? 従来工法との兼ね合いについて

ソディックらしく「痛し痒し」とはっきり言ってました。
しかし、今回の製品の重要な部分は、実際の現場で使えるレベルになった世界で始めたの装置という部分を力説しておられました。

? サービスビューロについて

今回10台入れた理由については詳しい理由はわからないとのことでしたが、その理由は森本社長が後で教えてくれました。
理由は仕事がこなせないからw
膨大な仕事量があるらしいです。

これら以外にもいろいろと話しましたが、何でも教えてくれましたよ。
すべて、自分がブログで書いたことの確認ですけど。

その後、OPMブースへ

この模型を使って、事細かに森本社長に説明してもらいました。

森本社長と1時間の対談

1時間も話したので、内容な盛りたくさんです。
全部の内容をここに書くのは、無理があるため、重要な部分で「守秘義務」でないレベルのものを書きます。

  • ? ソディックとの関係グループ化の経緯

答えは簡単でした。
世界中に広がる放電加工の販売網と、何よりも技術力が桁外れにすごいからという技術的な理由です。
資本関係については聞き忘れましたけど、ソディックは製品面で全面的にバックアップするとのこと。
極端な話、「ソディック」しか選択肢がなかったということです。

  • ? フォックスコンとの関係

OPMを世界に送り出した会社です。
5年前からの付き合いで試作品レベルからの付き合いだそうです。
当時は、それでも「使い物にならないレベル」だったそうですが、今では製品用として、完全に信頼を得たということです。

  • ? ホンダとの関係

ホンダとは非常に関係が深いそうですが、具体的な仕事関係というより技術的な交流が大きいみたいです。
今後、ホンダがコンフォーマルクーリングを本格的に採用するという話ですが、取引については不明。

  • ? HPとの関係

おそらく、これは言っていい話だと思うので、ここに書きます。
自分はHPはフォックスコン経由の仕事だと思ってましたが、「直受け」だそうです。
ビックリしました。
今回IRにあった「プリンタートナータンク」はHP用で、何十種類を金属3DPで行くとおっしゃってましたよ。

  • ? アップルとの関係

(ノーコメント ゴメンナサイ)

  • ? パナソニックとの関係

実は、パナソニックがライセンスをオープンにして、どこでも利用可能だというのは、誇張だそうで、現実は今後どこも参入できないであろうとのことでした。
オープン化を否定するというよりも、現実的に不可能であるとの考えです。

  • ? 台湾・香港・シンガポールについて

中国も含めて、これらの国々は金型を3DPで造形することを国策にしているそうです。
それも、日本のようにゆるい国策ではなくて、国が全面的にバックアップするぐらいの勢いだそうです。
自分が、「日本の金型業界にとっては痛手になりますよね」って話を向けたら、「正直言って、日本の金型業界に未来はない」というちょっとショッキングな言葉。
OPMは完全に軸足を東南・東アジアに置くとおっしゃってました。
じゃあ、福井のサービスビューロは?って聞くと、「日本専用って意味ではない」とのこと。
要するに、HP・フォックスコン向けの工場の意味合いが強いです。
今後、このようなサービスビューロを東南アジア各地に置くと明言されてました。
まあ、別に日本を見捨てたというより、「叱咤激励」してるのかもしれませんが。
日本人のあまりの反応の薄さにちょっと「イラ」っと来てる感じです。
また、これらの地域での「金型」関係者の地位はものすごく高くて、給料も相当高いとのこと。
日本の3Kのイメージはまったくなくて、先端産業という位置づけです。

  • ? iPhone5C

(ノーコメント ゴメンナサイ)

  • ? 金型全般の技術について

コンフォーマルクーリングも含めて、従来工法の様々な問題点をひとつづつクリアーしてきた。
あまり細かい技術的なことを言われたので、ざっくり言うと、金属3DPは凄いとのことw

  • ? クラウドシステム・試作品市場

例えばシリコンバレーで試作してOKが出たデータを。クラウド経由し上海工場でコンフォーマルクーリングを配して金型造形するってことは、今もやってるそうです。
試作品に関しては、コンフォーマルクーリングや硬度も必要ないので、安く早く造形できるので、金属3DPには最適だと。
そりゃそうですよね。

  • ? 明後日のソディックデモについて

かなり期待してくださいとのこと。
おそらく、V-LINEとの連携だと想像してますけど、明後日までの楽しみにとっておきましょう。

  • ? テスラについて

たぶん、今回自分的には一番のサプライズでした。
言っていいと思いますけど、フォックスコンがテスラの部品を作ることになってますけど、その部品の造形方法は森本社長がフォックスコンへ提案したそうです。

ひょええええええ

  • ? フォックスコン内のOPM研究室について

あれは、うちだよって言ってました。
ああ、やっぱりフォックスコン内にOPM研究室ってあったんだって改めてびっくり。

  • ? 最後にEOSとの関係及び世界標準化について

EOSとは以前関係があったそうです。
しかし、金型造形技術は金属造形の技術を内包しているため、いつでも金属造形には対応できると。
逆にEOSは金型を造形することはできない。
ということは、OPMは世界標準になりますか?と質問したら、当たり前みたいな顔で「なります」って、まずはアジアからのようです。

あまりにテンパッてて、じゃあ、新工場はどこなの?ってことを聞き忘れちゃいました。
ここまで教えてくれたら十分ですけど。

ちなみに今回のツアーは台湾だけじゃなくて、香港からも来てるそうで、100人っていうのは誇張でなくて、事実ですって。
途中で香港の知り合いと握手してて、自分はそこで失礼しようと思ったんですけど、社長がそのまま話続けるもんだからw
いやあ、本当にたのしい時間をありがとうございました。
 
何聞いても教えてくれるもんだから、下手に掲示板なんかに書けないですよw

OPM250L 60台生産の訳

ソディックは、OPM250Lをなぜ60台も生産しようとしたのか

これから書く内容は、もしかするとかなり的外れな内容なのかもしれないですから、
あくまでも、個人的見解と前置きしておきます。

さて、OPM250L年間60台ってどこから来た数字だと思います?
販売計画に沿った生産計画での台数だとか、マーケッティングした結果の数字だとか?
さあ、どうでしょう。
これについては、ソディックと森本社長の機密事項かもしれないですね。
自分がこの台数について、一度、担当に聞きました。
答えは、あくまでも「販売目標」だ、とのこと。
まあ、営業の立場からすればそうでしょうね。

この台数をもの凄い台数だと思う人は、金属3DPの世界をよく理解している人です。
2014年度の金属3Dプリンター世界出荷台数はおおよそ140台。
EOSのシェアは45%ぐらいとして、140×45%=65台。
もし、OPM250Lがその販売目標を達成したなら、
なんと、EOSと同じシェアになってしまう。
開発して、翌年いきなり世界のトップシェアと肩を並べるかもしれない。
でも、ソディックOPMはその途方もない販売目標を掲げた。
現在はテスト造形期間なので、結果が出るのはたぶん2か月後ぐらい?

しかし、今日のテーマはこの台数が売れるかどうかという話じゃないです。
この数字の出どころが知りたかった。
つまり、その根拠ですね。
それで、色々調べた中に、OPMの技術論文を見つけました。

金属光造形複合加工企業間ネットワーク構想

金属光造形複合加工技術による精密金型製造技術開発とネットワーク企業連携の概要

http://www.opmlab.net/tech_paper/images/2009_plastics_age_11-1.pdf

この資料に60台のヒントがありました。
さらに、今回ソディックがOPM250Lと同時に展開しようとする「射出成型機」も。
金属3DP装置60台、射出成型機45台。
この時点の構想は「LUMEX」です。
あくまで想像ですけど、この構想に松浦は難色を示したんじゃないですか?
森本社長のとんでもない構想に「そんなバカなことできない!」って感じで。
ちょうど論文が発表された時期も2009年11月ですから。
それで、この構想に乗ったのが「ソディック」。
これが、松浦からソディックに乗り換えたきっかけだったような気がします。
そして、自分がかねてから書いてきた「企業間ネットワーク」に繋がります。
森本社長はこの構想に具体的な台数まで指定しました。
彼のことですから、この数字の根拠は絶対に計算してます。
OPMだけでOPM250Lは20台ぐらい。
それ以外で40台のネットワークが当面の目標となる。
この表にある、「国際」という言葉が味噌ですね。
国内だけのネットワークではなく、世界的なネットワークを念頭に置いています。
社長は自分に「世界中のOPM250Lをネットワークで結ぶ」と断言しました。
当然、中には、独自に使いたいと言う企業も出てくるとは思いますが、実はそうであっても、OPMネットワークに参加せざる得ない理由があるんです。

種々データ共有クラウド

OPM250Lを動かして金型を造形するためには、そのためのノウハウが必要になります。
従って、いきなり装置を導入しても、すぐに金型を造形できる訳じゃない。
しかし、OPMクラウド(俗称)を利用すれば、長年OPMが培ってきたノウハウを自由に活用することが可能となり、工程管理からパーツ管理、ガスベント(ポーラス)管理までもノウハウを利用することが可能になる。
それがデジタルの特性ですから。
結局OPMクラウドに参加した方が絶対にメリット大きくなるんです。
これには、二つのメリットがあります。
一つには「ノウハウやソフトの共有」もうひとつが「営業的」側面。
クラウドに参加した企業はノウハウだけでなく、現在の稼働状況までも情報として共有しますから、空きのある各マシンを利用することも可能。
営業は、自社だけの生産ラインで仕事を考える必要はなく、クラウドに参加する各マシンを利用することができる。
まあ、このあたりは前回にも書いたことですから、復習になります。

ちょっと話を戻します。
マシンの稼働状況が高めることは、その金属粉を販売するOPMにとって、大きなメリットがありますよね。
機械だけでなく、稼働率がを高めることで「金属粉」の売上も伸びる。
まさに互助会みたいなもんですよ。
さらに、そのネットワークは年々増え続け、大型化・スピード化もガンガン進みますから、台数増加率以上に金属粉使用率は増え続けていきます。
単純にレーザースピードが倍になれば、台数が同じでも、金属粉は倍使われます。
台数が増え、レーザーが高度化されれば、倍々ゲームで売り上げが増えます。

初年度いきなり年間60台という販売目標を掲げた理由は、1年間でOPMクラウドを完成させるという森本社長の絶対的な自信の表れだと思います。
もう少しすれば、自ずと答えが出ますよ。
それまで、静かに情報が出るのを待ちましょう。
世間をアッと言わせましょう

企業連携グリッドシステム

逆立ちしても、EOSがOPMに勝てない理由

本題に入る前に昨日のおさらい。
森本社長があそこまで自信に満ちたコメントをするには理由があるんです。
実際に「金型」として実用レベルにこぎつけたは、今から6年ぐらい前。
それまでは、まったく使い物にならないレベルで4ヶ月間装置動かないとか、試作してもまったく商品にならない時期も。。
寝る暇もないぐらい根を詰めても、使える金型造形ができない。
そんな悲壮な毎日が続いていたそうです。
絶望的な日々の中、転機になったのが平成15年から始まった産官学連携の政府系プロジェクト。
これによって、一筋の光が差してきます。
そして、その後に採択された「金属光造形複合加工と成形技術の高度化による企業連携グリッド構築」に参加することで、さらに高度な技術が開発され、ようやく「使える金型」を造形することが可能になったんです。
このような紆余曲折で森本社長が得た結論、それは「部品のための金型」を造形するためには、「切削が同時に行える複合加工しかダメだ」というものです。
逆に言えば「切削ができない金属3DP」では「部品のための金型」を造形することは不可能だと。
だから、どんなに逆立ちしてもOPMがEOSに負ける訳がない。
それが、長年の経験から導き出された結論です。

企業連携グリッドシステム

さて、これとは別にもう一つの側面を紹介します。
一口に金型と言っても、ひとつの製品で複数の金型が必要となります。
しかし、金属3DPを複数持てる会社なんて、ほとんどありません。
それに、ひとつの製品の中で、たった一つの金型だけを受注しても意味がないし、効率的とは言えません。
このような状況を打破するための方法として考えられたのが「企業連携グリッドシステム」と言われる発想。
簡単に言うと、複数の3DPをインターネットですべて繋げて連携し、リソースを共有しようとするもの。
OPM社内に統括サーバーを置き、工程管理から装置管理までを行う。
そして、そのサーバーには金型造形に関するノウハウや造形データまでもDB化し管理する。
単純なクラウドではなく、巨大な金属造形3DPネットワークを形成するというもの。

逆にこれができないと、一つの製品の金型さえまともに造形することができないし、どんなに優れた装置でも、大きなネットワークで連携しないかぎりその威力を生かすことができない。
元々、森本社長はこの分野のエキスパートでしたから、発想そのものを具現化することは可能だと思います。
問題はシステム以上に、それを生かすための企業スキルの方かもしれないですね。

このことは前にも説明しましたが、今後のOPM250Lの成功を左右する重要な問題になります。
現状では、すでにOPM社内でこのネットワークは実現されていますが、今後、複数の企業がこのネットワークに参加するようになれば、本当に大きな産業になりますよ。
但し、これはまだ実験中のようです。
もしかすると、「東新」さん辺りで実験中かもしれないですね。
さあ、どうなんでしょう。
今後の展開が楽しみです。
近々これに関する情報が出されると思ってます。

OPMが世界標準になる理由を明言

【OPMテクノロジー】
デフェクトスタンダード宣言

いやー昨日の森本社長のコメントには驚かされました。
今日は、自分なりにそのポイントを整理したいと思います。

  • 1 金属3DPのターゲットになるマーケットとはどんなものか
  • 2 金属3DPには何が求められるのか
  • 3 OPM250Lと他社製3DPの違いはどこにあるのか
  • 4 他社製の3DPの問題点は何か
  • 5 今後、OPM250Lはどのような展開になるのか

1 金属3DPのターゲットになるマーケットとはどんなものか

森本社長がおっしゃるように、世の中の製品のほとんどは、いろんな部品を組み合わせて作られてますよね。
だから、当然3DPで造形したものは、製品の一部となる部品として存在させなければならない。
つまり、OPM250Lがターゲットとしているのは、「部品」のもとになる「金型」、あるいは「部品」そのものを作ることだと。
森本社長からすれば、当然の発想でしょうけど、投資家からすれば目からうろこです。
世の中には膨大な量の「部品」が存在してますからね。

2 金属3DPには何が求められるのか

じゃあ、その「部品」に求められるものって言うのはなんだろう?
簡単に言えば「精度」です。
部品ですから「精度」が従来の部品と「同じレベルでないと使えない」ですよね。

3 OPM250Lと他社製3DPの違いはどこにあるのか

2に関連して、じゃあ、他社の金属3DPの制度で金型を作ったらどうなるのか。
答えは「そのままでは使い物にならないから二次加工が必要になる」ってこと。
しかも、基準点をもってないから、二次加工がものすごく大変。
早い話がEOS製3DPで「金型」とかやめた方がいいって、はっきり言ってます。
一応言葉は濁してますけど。
自分もずっとそう思ってます。
つまり、金型に求めらる精度を達成するためには、最低でも光造形複合加工方式でないと「無理」ってことです。
その中でも、LUMEXとOPM250Lを比較したら、遥かにOPMの方が精度が高い。
後残された問題はレーザー技術なんですけど、正直この技術はまだ、EOSが上だと思います。
しかし、近いうちに追い越すことが出来ると確信されてるようです。

4 他社製の3DPの問題点は何か

3に関連しますけど、今、世の中に存在するOPM250L以外の金属3DPは、ほとんどが「単独造形製品」でしか使えないとおっしゃってます。
スプーンとかナイフとかみたいな。
要は、部品にできるほどの精度を求めることは不可能に近いし、問題点や制限が多すぎると。

5 今後、OPM250Lはどのような展開になるのか

それで、今後OPMシリーズはどうなるのかって話です。

海外勢に負けることはないと思います。1年以内に答えははっきりすると考えています。

おそらく、一年以内には「部品向け金型用3DP」はOPMシリーズでしか「造形」できない、ってことが業界内で明確になるはずである明言しました。
すると、どんな未来が起きるのか。

欧州製造業が、弊社技術を積極的に採用をしている

この弊社技術つまりOPMテクノロジーって言うのは、コンフォーマルクーリングだけじゃないですよ。
金属粉だったり、金型造形に関するノウハウだったりします。
わざわざ極東のベンチャー企業の技術を使ってまでも、その技術で「金型」を作りたいって思わせるって凄いことだと思いませんか?
つまるところ、「OPMが世界標準になる理由」をあそこで簡潔に説明したんです。
これは、ある意味「OPMのIR」と同じですね。^^

OPMの世界戦略
【森本ビジョン】

森本ビジョンとは

これは、昨年ブログで書いた内容について、現在の検地から修正・加筆を行ったものです。
今までの内容と重複する部分も多いですが、確認としてご一読ください。

さて、今まで相当の時間を掛けてOPMと金属3DPについて調べてきました。
まだ、マーケットはOPM自体をまったく理解もしていなければ、ソディックとの関係性も分かっていないようです。
ここの投資家は、ソディックからの事業報告書をご覧になられたと思います。
一言で言うと、「社運掛けてる」雰囲気を感じますよね。
でも、まだマーケットは黎明期で売り上げに占めるウェートなんて、微々たるもんです。
それでも、報告書にはOPM250Lが乱舞してます。

しかし、色々調べて見ると、今期以降どんなことが起きるのか結構簡単に予想できます。
ということで、今回は、OPMの戦略=森本ビジョンを考察したいと思います。

森本ビジョン6つの側面

森本ビジョンの6つの側面があると考えています。

  • 1 サービスビューロの世界展開
  • 2 自動車業界参入
  • 3 フォックスコン・HP等、世界中のスーパー企業群との連携
  • 4 金属粉ビジネスモデルの確立
  • 5 3DPデータのクラウド化による世界的ネットワークの確立
  • 6 金属3DPにおける世界標準

別に、この内容って、ほぼこのブログに書いてきたことなので、ここの読者からすればある意味「確認作業」ですね。

1 サービスビューロの世界展開

サービスビューロには2つの役割があります。
ひとつは、金型会社の下請けとしての役割。
そして、もうひとつが実際に装置を導入してもらう、あるいはもらった後のサポートセンターの役割。
金属粉を提供するOPMからすれば、装置を導入してもらっても、実際にサービスビューロ内で金型を造形しても利益が生まれますから、これほど「うまみのあるビジネスモデル」も少ないですね。

このサービスビューロを今後アジアを中心に世界中で展開する予定です。
言い方変えれば、ガンガン工場を建てるよって言ってるのと同意ですね。
これに関しては、ソディックが全面的にバックアップしますから、相当大きな展開になると思われます。

2 自動車業界参入

ソディックOPMのターゲットは間違いなく自動車です。
この理由を説明始めると、メチャメチャ長くなりますが、要点だけ。

 

  • ?3D Moldexへのコンフォーマルクーリングシステム標準搭載
  • ?ホンダとの連携
  • ?フォックスコンによるテスラへの部品供給

 

? 3D Moldexへのコンフォーマルクーリングシステム標準搭載

3D Moldexというのは、ほとんどの世界的自動車メーカーが取り入れている3次元シミュレーションシステムです。
業界で知らない人はいません。
この企業の本社は台湾なんですけど、その顧客群見たらびっくりしますよ。
そのシステムは名前の通り「金型を作るためにシミュレートすることが目的」です。
そこにOPMのコンフォーマルクーリングテクノロジーが搭載されたいうことは、将来的にプラスチックを金属3DPの金型で造形する際に、必然的にOPMを利用した方が有利だと認識してもらうことになります。
当然、EOSとかでもいいんですけど、色んな面で勝負にならないと思います。

 

 ? ホンダとの連携 

昨年のホンダが公開したコンフォーマルクーリングによる金型造形の特許もOPMが絡んでます。
金属3DPの大型化の目的も、その大半が自動車を念頭に置いているものと推察できます。
今、自動車業界は「コンフォーマルクーリング」の話がバンバン交わされているようですし、かなり一般的な言葉になるかもしれません。
この目的は以前にも書きましたが「CFRP」を利用するためです(断言!)。
そのために、早期にレーザー技術を高めた上での大型化が必須なんです。

まさに、一刻も早くって感じ。

 

  ? フォックスコンによるテスラへの部品供給

これはフォックスコンのGOU氏の「ギミック」発言からも分かりますね。
この発言の真意は「テスラ」を取り込むための「仕掛け」って意味だと思います。

 

  3 フォックスコン・HP等、世界中のスーパー企業群との連携

2とも関連しますが、現状でもOPMはHP・アップル・フォックスコンの仕事をしています。
これだけでも凄いんですけど、今後はもっともっと多くの企業と連携をするものと期待しています。
そして、そのキーワードが「サイクルタイムの短縮」です。
昨年のJIMTOFへ行かれて方なら気付いたと思いますけど、どこのブースへ行っても「サイクルタイムの短縮」が一つのキーワードのように掲げられていました。
この記事とデータを見ればいかにサイクルタイムが産業革命の中心かがわかります。

パナソニック

サイクルタイム

http://www.ptonline.com/articles/why-conformal-cooling-makes-ense#

サイクルタイムの削減=利益率の向上が数字として表れてますから。
そのサイクルタイムの減少をもっとも確実に実現できる技術がコンフォーマルクーリング(上のURL)なんですね。

アップルが欲しがるほどの技術ですから、森本社長が絶対的な自信を持つのも頷けます。

これを客観的にみれば、他の世界的な企業も当然OPMと取引したいと思うに違いない。
今年はドンドンそんな話が出てくるものと期待してます。

 

  4 金属粉ビジネス 

  

ソディックはOPMのためだけにOPM250Lを作っている訳じゃないですよね。
世界的に広がるソディックのネットワークやフォックスコンがらみの企業群も多数あります。
そして、そこで造形される金型の金属粉はすべてOPMが提供します。
しかも、売りっきりではなく、継続的に増えて行きます。
1台辺り0.7トンの、単純計算で700×2万5千円=1750万になります。
それが、60台計算で10億w
さらに松浦のLUMEXも対象です。
もう、笑いが止まらない。
それが毎年ドンドン増えるんですよ。
まさに濡れ手に粟のOPMビジネス。

 

  5 3DPデータのクラウド化による世界的ネットワークの確立 

  

アナログからデジタルに移行する場合に最も違う点です。
基本的にOPMはシステムを作る会社ですから、インターネットでのデータ共有は念頭に置いています。
例えば、アメリカのHP本社で3Dデータ作成し、そのデータをクラウドで管理。
そのデータを福井の工場で金型データに展開する。
そんなことは、すでに当たり前なんですけど、OPMはそのネットワークを世界中に広げる予定でいると思います。

 

  6 金属3DPにおける世界標準

  

すでにコンフォーマルクーリング技術については3D Moldexに標準搭載されていますから、この段階で世界標準と考えられます。
基本的に金型に関してはこのコンフォーマルクーリングを配したものになりますし、品質・精度の点から考えて、切削可能な複合加工でなければ正直厳しいですから。
どんなにEOSが凄いレーザーを開発しようが、アップルやHPが採用している時点で、確実に世界標準になります。

さて、ちょっと長くなりましたが、少しはOPMの戦略についてご理解いただけましたでしょうか。
途方もない高みに向けて、OPMから目が離せない。

【ソディックショールーム取材メモ】OPM250L現状分析

ソディックショールームへ行ってきました!

しかしながら、いつ行ったのかは、敢えて言いません。
面がすでに割れているとは思いますが、一応念のため。
対応頂いた方は若い説明担当の方とDDM担当の方。
若い担当の方への質問がコアすぎたせいか、途中で責任者っぽいDDM担当の方に対応してもらいました。

さて、装置そのものについてはJIMTOFで確認済みなので、取材の目的は自分が知りたい情報の確認と新たな情報の収集です。
こちらで用意した質問は以下の通り

  • (1)クラウドの可能性と現状
  • (2)作業内容(一人が複数台を制御?)
  • (3)二次加工の必要性範囲(鏡面加工と二次加工の関係性)
  • (4)自動車業界ではどの部分で使われているのか
  • (5)フォックスコンへの納品は
  • (6)受注状況(テスト状況)
  • (7)チタンはいつになるのか

HP関連や欧州家電メーカーについてはOPM社の問題なので聞いてません。

クラウドの可能性と現状

OPM250Lという存在が、どうも「金属造形装置」としての存在ばかりに目が行きがちですけど、同じぐらい重要な側面として「デジタル」という部分を考える必要があります。
この部分の将来性について、ソディックもOPMもまったくと言っていいほど、見事にスルーしてます。
装置の性能がすばらしいのは、客観的データから理解できますけど、それをどのように利用するのかという「軸」がまったく見えない。
ということで、デジタルとしてのOPM250Lという装置を、どんな存在と考えているのかについて質問しました。

答えとしては、「存在自体は二次元プリンターと同じでPC経由で操作されるため、デジタルの良さを100%活用できる。」
まあ、そうだと思ってましたけど、あの装置の雰囲気として操作パネルからのデータ入力でしか動かないと思ってる人は大勢いると思います。
パンフレットも頂戴したんですけど、この部分の説明はまったくされてないですね。
実は、自分はOPM250Lに限らず、デジタルの良さをもっと全面に出してもいいのではないかと思った次第です。
それで、これに関連して少しカマ掛けました。
DDM担当の方に対して、「森本社長から、世界中のすべてのOPM250Lをクラウドネットワークにするって話をポロって聞いたんですけど、その辺はどうなんでしょうか」
この時の担当営業の表情が実に楽しかった。
「森本さんは、本当にポロッと言っちゃう(笑)」
あーやっぱりそうなんだ。
でも、どこにもそんな情報が書かれていない。
それはそうなんですよ、あくまでも「森本構想」ですから。
でも、デジタル化とはそういうことなんです。
HPやアップル、テスラにしても、すべての情報はクラウドで処理させるって言うのが基本姿勢ですから、これができなかったら、3Dプリンターの意味がない。
当たり前ですね。
基本となるCADデータはHPやアップルの社内で専門部署が作成して、そのデータをクラウド経由でOPM側が取得してCAMデータを作成し造形するんですから。

3Dプリンターのクラウド展開

ちょっと話がそれますけど、現在世界中の3Dプリンター(全部じゃないですよ)は、巨大なクラウドネットワーク下にあって、もし、自分が3Dシステムズの3Dプリンターを購入し、そこのネットワークに参加したなら、知らない内に知らない人から「造形依頼」が舞い込んでくるかもしれない。
それで、「OK」出したら勝手に装置が動き出して、商品が作られる。
作られた商品にはタグが付けられて電話一本でどこかの運送会社が取りに来る。
http://3dprint.com/26713/3d-systems-3dsprint-cloud/

森本社長が考えるクラウドはほぼ同じ発想です。
生産財としてのOPM250Lの稼働率を、極限まで高める方法を考えているんです。
っていうか、誰しもが考えますよね。
付いて行くのが大変そうですけどw

(2)作業内容(一人が複数台を制御)

案外、多くの人が見過ごしてる部分。
先日のこのブログにも書きましたが、2次元の印刷機は基本的に一人が一台の印刷機をオペレートしますけど、3Dプリンターは一旦データを入れて稼動が始まると、何日かは動きっぱなしです。
ですから、極端な話、「スーパーオペレータ」が一人居たなら、世界中のOPM250Lを同時に稼動させることも可能になる(実際にはセットする人が必要ですけど)。
従来工法との決定的な違いですね。
ただ、そのオペレータを養成するためには、従来工法の金型技術+オペレータ技術+コンフォーマルクーリングテクノロジーの修得という高いハードルがあるのも事実です。
現実にはオペレータとコンフォーマルクーリングの設計は別の人になると思いますけど。

(3)二次加工の必要性範囲(鏡面加工と二次加工の関係性)

今回の取材の大きな目的の一つなんですけど、例の「鏡面加工」の話。
あれは、ミーリング作業で実現できると思ってる方がいると思いますけど、実際は「二次加工」ですから。
どんどん硬くなる金属粉ですけど、それを削るミーリングの先端にも限界があります。
但し、そこが問題なのではなくて、「加工時基準線」がなければ「二次加工」は不可能であり、また金属粉から鏡面精度A2が達成できるという部分が凄いんです。

これは、世界中のどのメーカーでもできない、OPM250Lだけの技術です。

(4)自動車業界ではどの部分で使われているのか

現在利用されているのは、ほとんどが小物です。
実際にバンパーとかボンネットとかの利用は難しく、OPM600Lが出たら可能になるかもしれないです。
但し、ソディックOPMのターゲットが自動車であることは間違いないし、現状でもそうです。
なんせ、スマホとかPCの何倍もプラスチック使ってますからね。

(5)フォックスコンへの納品は

今回もっとも驚いた部分です。
OPM250Lが実際に納入された事実はないらしいですが、フォックスコンとソディックの関係が自分達が考えているよりも遥かに強いことに驚きました。
すでに放電加工機は1000台以上納品してるらしく、超ビッグユーザーって言ってました。

(6)受注状況(テスト状況)

ヤフ掲でOPM250Lが売れてるとか売れてないって話がよく出ますよね。
結論から言うと、もの凄く売れる予定ってことです。
この理由を説明します。
担当のお話では、問い合わせは本当にいっぱいある。
但し、実際にそれがユーザーの要求を満たすものかどうかは、ユーザーからのテストが終了してないと判断が付かない。
そのため、今は多くの見込みユーザーがテストを行っている段階。
そりゃあ、一台8000万(システム込み)ぐらいする機械ですからね、当然テストをした後になります。
その後、テストがOKになって初めて設置になりますが、実際に稼動させるには1ヶ月とか2ヶ月とか掛ります。
本格的な営業を開始したのが今年に入ってからですから、答えが出るのは、早くて今月からだと自分は思ってます。
それで、今のテスト状況ですけど、ずっと順番待ちだそうです。
つまり、導入したい企業はいっぱいあるけど、導入は順番待ちになるのではないかと予測してます。
売れるとか売れないとかというよりも、見込み客がわんさかいる状況というのが客観的に見て正しい判断。
実際に売れるかどうか、ユーザーの懐具合と決断のみって感じです。
ただ、周りが導入し始めると、雪崩になるように思います。
すでにHPやアップルが導入している事実は大きいですね。

(7)チタンはいつになるのか

チタンに関しては、以前から公言している通り、担当もチタンについて説明してくれましたよ。
時期については、今は言えないとのことですけど。
今回初めて知った事実として、OPM250Lは鋼材とチタンは同じ機械では使えないんです。
つまり、1台でこの二つの材質は使い分けできない。
理由は聞きましたが、ライバル会社が見てるかもしれないので書きません。
おそらく「医療器具」関連をターゲットにしてる、つまり「金型」ではなく金属部品へも守備範囲が広がります。

と、まあ今回の取材はかなり有意義でした。
会社を半休して言った甲斐がありました。
対応して頂いた担当の方々、お忙しい中ありがとうございました。

OPM600Lで金属3Dプリンターシェアが圧倒的なNo1になる?

これは、今年の1月にヤフーブログで掲載したものです。
当時の認識と今の認識では微妙な差があるものもありますので、都度、転載・加筆していきます。
OPM初心者の方、是非一読お願いします。
その間も新ネタがあれば、当然情報提供しますよ。

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OPMシリーズの狙い

先日OPMが公表した「OPMの大型化に関するロードマップ」がありましたよね。
OPM画像1

これって真面目に凄いことなんです。
何が凄いって、昨年末パナソニックが出した、今後の課題という下図。
これをOPMは全部2年以内に実現させようとしてるんです。
(セラミックに関しては不明)
しかも、□500mmじゃなくて□600mmですよw
なんでこんなことが可能なのかってことですけど、これはもうソディックとOPMの技術力の凄まじさ以外ないです。
これが可能だと考える理由は「Dual laser」の開発がすべてです。
先日、森本社長が誇らしげに語っていた「Dual laser」です。
実は、森本社長には大きな目標があって、ドイツのもつレーザー技術に対抗するレーザーを開発すること。
これができれば、今世界的に先行している「EOS」に太刀打ちできる。
そのすべての基本はレーザーにあるんです。
放電加工とNC精度に関してはソディックは世界ナンバーの技術、それも圧倒的な技術力を持つ会社ですから、そことOPMの技術力があれば「Dual laser」でEOSに対抗できると踏んだんでしょう。

OPM画像2

実際、今はEOSが世界シェアのトップを独走してますけど、実際に金型向けの金属3DPの市場規模はメチャメチャ小さくて、導入してる企業は限りなく「ゼロ」に近い状態。
だから、現状でシェア云々という話自体がナンセンスなんです。
それで、OPM250Lっていうのは、ソディックが言うように「業界初のワンストップソリューション3Dプリンター」ですから、言い換えれば、世界で初めて「実用として使える金型向けの3Dプリンター」です。
しかし、この金属3Dプリンターは、時間との戦いが勝負を分ける世界ですから、レーザー技術が世界最高のドイツEOSに金型分野以外で対抗することは難しいんです。
しかし、逆に「コンフォーマルクーリング」や「光造形複合加工」という部分においてEOSを遥かに凌駕しているため、「金型分野」ではOPM250Lが圧倒的に有利な立場にいます。
ただ、EOSをいくらリードしたところで「本当の敵はEOSではなくて既存の金型技術」ですから、それへの対抗を考えた結果、やはり「レーザーが問題」になるんです。
それで今回、大型化のロードマップの目標として、2年後に600Lを出すと公言しました。

600Lの意味

このDual laserに関してなんですけど、従来の金型造形と3Dプリンターによる金型造形との住み分け(シェア)を奪取するということも大きな目的ではあります。
しかし、森本社長はこの技術があればEOSを追い抜くことが可能だと考えています。
それは、レーザーの技術が進めば、金型以外の分野へも参入できるからなんです。
また、そう考える根拠は、金型で培った「精度」に対する絶対的な自信です。
おっしゃっていたのは、「金型で必要な精度と、金属部品造形に必要な精度を比較した場合、金型向けの方が、圧倒的に高い精度が要求される」
つまり、金型の精度をクリアーできた技術は、そのまま「金属部品造形」で「差別化」になりうる。
さらに、「強度」(硬度じゃないです)という部分でも金属部品より強いものが要求される。
この「精度」と「強度」に「Dual laser」という武器が加わることができれば、「金型」だけでなく、「金属部品」全般へとマーケットを拡大することが可能だと。

今求められる金属3DPの差別化の条件は「精度」「強度」「速度」ですから、この3つで世界最高の技術を持つことができれば、「EOS」打倒は容易だと考えます。
それによるマーケットも無限です。
さらに、先日行われてプライベートショーでは、Dualを凌ぐ「Double Dual」つまり4つのレーザーを利用する予定だと言う事が明言されたそうです。

この資料おもしろいでしょ。

OPM画像3

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/new_mono/pdf/001_03_02.pdf

直接造形の割合の伸びが物凄いことになってるんです。
それで、その中心は「自動車」と「医療」。
OPMはすでにフォックスコン経由でテスラと協業すると思いますし、ホンダとも強い繋がりがあります。
さらに提携先の「FIRST ENGINEERING」は「医療」と「自動車向け」の金型、プラスチック製品を作ってます。
今のOPMはいろんな条件が揃いつつあることから、圧倒的な成長性を持っていることに疑いの余地はありません。
今はまだ5億ぐらいの売り上げしかないんですけど、数年後には社長の言う「100億」も有り得るかもしれないですね。
それで、今年がそのスタートの年なんです。
ソディックの「資本と技術と販売網」、OPMの「技術と経験」
もう怖いものなしでしょ。

GEオイル&ガスによるOPMテクノロジー採用

GEオイル&ガス、LUMEX採用の意味

先日のGEに関するネタですが、ちょっと掘り下げてみます。

GE Oil & Gas Uses 3D Printing to Produce Control Valve Parts at Kariwa Plant

GE Oil & GasはGEのエネルギー部門ですね。
この会社がどれくらの規模で、日本法人のみでの話なのか、本社も絡んでいるのかは不明です。
この文面を見る限る、当面「日本法人」での利用らしいですね。
自分が驚いたのは、GEが松浦を採用したって事実です。
「は?」って思うでしょ?
でも、これがマイクロソフトとかグーグルなら驚かないんです。
逆だろ!
いや、逆ではないんです。
グーグルがOPM250LやLUMEXを採用しても、「まあそうだろうな」って思うと思いますが、GEはEOSや3Dシステムズの3Dプリンタを持ってて、すでにジェット機のエンジン部品とかを造形してるんです。

別会社とは言えグループ企業ですから、当然、実績のある製品を使って金属を造形するのが「普通」じゃないですか?
しかし、敢えて、GEは「MATSUURA LUMEX」を選択したんです。
その理由を自分はいくつか考えました。

  • 一つは、「日本製」であること
  • 一つは、「高精度」であること
  • 一つは、「金型」でも利用できること

日本製であること

この表現はどちらかというと、「日本製で”あった”こと」というのが正しい表現かもしれないですね。
おそらく、LUMEXやOPM250Lが存在していなければ、3Dシステムズ社製を利用していたんじゃないですか?
しかし、日本でも同じ金属3DPが存在することがわかり、テストをしたものと思います。
GEから部品を調達して作るよりも安く購入できる、しかもメイドインジャパンだと。

高精度であること

たぶん、LUMEXの精度は以前よりも上がってるものと推察されます。
特にバルブは「超高精度」が要求されるため、OPMテクノロジーでなければ「要求水準」を満たすことは不可能だったかもしれないですね。

金型でも利用できること。

この記事の文面には、金型への利用も明記されてます。
現状「金型」に関して言えば、OPMテクノロジーが世界標準ですから、「金型」での利用を念頭に置いた選択であったのは間違いなです。

現在GEグループは世界で最も3Dプリンターを活用している企業だと言われています。
その企業グループがOPMテクノロジーを採用した事実が何を意味するのか、誰にもで理解できますよね。
その精度や速度等のメリットは随時本社へ方向されます。
当然、その上位機種のOPM250Lもターゲットになります。
日本では、まだほとんど理解されてませんが、すでにOPMテクノロジーは世界を席捲してます。
でもなぜか「表」には出ませんよね。
すごい技術はそのまま、「企業秘密」だということでしょうか。
逆に、なんでGEがこの事実を公表したんだろうと思うぐらいです。
自分がGEの責任者なら、ライバル企業には教えたくない情報ですからね。

OPMにとっては「売上」以上に大きな意義のある採用だと思います。
当然、ソディックにとっても。