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アップル・HPの戦略的意図

なぜOPMテクノロジーが必要だったのか

OPMと一緒に仕事している会社は、今まで散々ここで取り上げてきました。
ここを以前から読まれている投資家からすれば既知の事実だとは思いますけど、最近買った人にとっては、何の会社なのか、まるで知らないと思いますので、ちょっと触れたいと思います。

実は、HPやフィリップス?との仕事関係が公になってきたのは、結構最近の話です。
昨年末、ヒューレッドパッカードからの直接受注のIRや、欧州大手電器メーカー(日経情報)からの受注等。
また、その前にはフォックスコンを通じてのアップル製品への金型提供とか。
これを言うと、また「風説」とか言われそうですけど。。
でも、アップル・ホンダ・HPはOPM自体が認めてることですから、特に隠すようなもんでもないと思います。
じゃあ、なんでこんな世界的な大企業が、OPMのような京都のベンチャー企業へ発注するようになったのか、物凄く疑問ですよね。

単に金属3Dプリンターで精度高い金型を作れるのがOPM250LやLUMEXだった、という問題でもないです。
それだけの理由なら、敢えてOPMの3Dプリンターを選択する必要はないです。
HPやアップル、ホンダ向けの金型ともなれば、精度は当然として、それがもたらす大きなメリットがなければ、協業するこは難しいでしょうから。

アップル・ホンダ・HPと言えば、世界中で知らない人は皆無です。
当然、売り込みに来る企業は何千社にも及びます。
そんな、膨大な企業の中からOPMを選択した理由はなんなんだろう???
多分、フォックスコン・パナソニック・ホンダとの関わりが大きかったと思います。
この3社はもう何年も前からの付き合いですから、世界的な情報網を持つアップル・HPが、OPMの持つ卓越したテクノロジーについての情報を得ていないはずがない。
まあ、フォックスコンからの紹介だったっていうのが真実だとは思いますが。

そんな巨大企業の製品に採用されるためには、確実なメリットが見込めないとダメですから、他者では実現できない「何か」が存在していたんです。
自分が聞いた話では、フォックスコンとは5〜6年、HPでも1年以上共同研究をしてます。
実はここで重要なのは、HPにしろフォックスコンにしろフィリップスにしろ、OPMに対し単純に金型を発注した訳ではなく、パラレルな立場としてコンフォーマルクーリングを配した超高精度の金型を一緒に開発したって言うことです。

いろんな見方があるとは思いますけど、主従の関係ではなく、HPやフィリップスがOPMテクノロジーを利用することが、企業にとって大きなメリットであると判断した結果が今回の受注に繋がったんだと思います。
そうでなければ、こんなに時間を掛けてわざわざ3Dプリンタ使って金型作ろうなって考えないでしょ。
時間を掛けてでも、この技術を利用する必要があると判断したからです。
自動車関連では「CFRP」等の炭素繊維を利用するための必須技術であり、アップルやHPでは、サイクルタイム短縮のために必要な技術だからです。
さらに、3Dプリンタを活用することは、HPやアップルでは「デジタル化」という意味でも避けて通れないですからね。

ここのブログで散々ぱら啓蒙している日本版「インダストリー4.0」へ向けた一つの準備だとも言えます。
森本社長は日頃から「金型に拘るつもりは毛頭ない」「すべてのOPM250Lを繋げる」と言っているように、「インダストリー4.0」で3Dプリンタが中心的な役割を果たすことは、誰よりも理解されています。
つまり、世界的な企業が京都の小さな企業と一緒に仕事をしたい理由は「明らかな戦略的な意図」があってのことです。
その意図が理解できれば、今後どんな展開が待っているのか、簡単に理解できますよ。
また、ソディックがそのために果たす役割りも小さくないです。
それは、資金・ネットワーク・技術等。
OPMが何の心配もなく世界に羽ばたくための最良のパートーナーとして、なくてはならない存在です。

目的はサイクルタイムの短縮と精度

その巨大企業が何を目的としてOPMテクノロジーを採用したのか。
ここの読者からすれば「コンフォーマルクーリング」だろ?って思ってるでしょうね。
まあ、その通りなんですけど、実はそれだけではないです。
先ほど、明確な差別化がなければ採用しないと書いたように、OPMには他社にはない何かがある。
上の企業を見ると、基本的に電子制御関連ですよね。
ということは、そこで利用される部品はすべて高精度が必要とされる。
一般的に金属3Dプリンタは、従来工法に比べ精度的に問題があるのではないかというのが、大方の意見です。
しかしながら、すでに電子制御に関わる部品の金型に利用されている時点で、この心配は杞憂です。
ただ、そのことが金属3Dプリンター全体の精度の高さを証明したことには、まったくならない。
もし、そうであれば、上の企業が時間を掛けてまで金属3Dプリンタ金型に使えるまで共同研究はしないはず。
一般論では精度的には問題が残る金属3Dプリンタでも、様々な経験・ノウハウ・技術を情報として3Dプリンタに吹き込むことで初めて「電子制御に堪えうる精度の金型」を造形することが可能になるんです。

何も知らない人は「デジタルの制御なんて、どこが作っても同じだろ」みたいな事を言いますが、それが全然違う。
デジタルと言っても、制御するのはソフトであり、そのソフトを作るのは人間です。
つまり、OPMテクノロジーというのは、そのまま「金型に堪えうる精度を実現するためのノウハウ」と言うこと。
これこそ、巨大企業がほしがる技術なんです。

単にコンフォーマルクーリングだけではOPM250L以外でも作ることはできますし、金属3Dプリンタであれば簡単です。
しかし、それだけではまったく使い物にならない。
金属3Dプリンタを、高精度でも使えるプリンタにしたかったために、フォックスコンとOPMが、長年研究を積み重ねたんですね。
つまり、まとめるとこういうこと。

  • 1 生産時のサイクルタイムの短縮は絶対に必要
  • 2 1のためには金型をコンフォーマルクーリングで造形する必要があるが、従来工法では不可能
  • 3 しかしながら、現状の3Dプリンタでは電子制御向けの制度を持つ金型造形も不可能
  • 4 これをソリューションするためには金型・CAMのノウハウを持つOPMラボしか無理
  • 5 将来的は生産現場へのデジタル化を考えても、金属3Dプリンタを一早く導入する必要がある。
  • 6 そのためにはOPMラボには、資金・ネットワーク・技術を持つパートナーが必要

という理由からOPMはソディックと一緒になったんです。

つまり、「戦略的な意図」というのは、OPM250L等のハードだけが目的ではなく、OPMテクノロジーと金属3Dプリンタの組み合わせでしか、目的とするサイクルタイムの実現ができなかった。
そのために、「京都の小さなベンチャー企業と共同研究しよう」ってことに各社がなったんです。

ご理解頂けましたでしょうか。

ソディック・OPMへ投資する訳

ちょっとDDSネタ。
一昨年かな、DDS株をメインにしてたときに「DDSの戦略」っていう書き込みをしました。
グーグルで検索すると出てきますから、読みたい方は是非。
今でも、そのときの予想は変わってませんし、実現間近であるとは思います。
しかし、如何せん世間との認識に大きな差があるのも確か。
日本の、セキュリティーに関する意識がまだまだ低い証拠かもしれないですね。
だから、どちらかと言うと、主戦場を世界にした方が早いかも。
そのためにはNOKNOKとの付き合い方がポイントだと思ってますが、DDSはちょっと行動が消極的すぎるように思います。

なんでソディックへ投資したのか

今日はDDSの話ではなく、ソディックを知って間もない方に、なんで自分がソディック株を持ち続けるのかを判りやすく説明したいと思います。
おそらく、昨年の初動時から持ち続ける投資家諸氏も、思いは共有しているはずです。

急騰のきっかけはOPM250Lの発売というニュースだったんですけど、自分がここへ投資した理由は、実はこれではないんです。
きっかけは、OPM社が出した以下のIR

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2014.07.22
US大手PCメーカは、弊社開発OPM-Stavax金属粉末材料製の
Conformal cooling insert を量産型として本格大量採用を致しました。

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正直、この意味するところが当初まったく理解できなかった。
但し、US大手PCメーカーにこんな会社が採用されるんだ、という少々DDSと似た雰囲気を感じ大いに興味を持ったんです。
それから、これについて調べまくって、その2日後ぐらいにソディック株を購入しました。
しかし、すべてを理解した訳じゃなくて、実は3ヶ月間このIRをずっと「持ち歩いた」んです。
なんだか、毎日この暗号と格闘していたように記憶してます。
ここのIRにはポイントがいくつかあります。

  • 1 大手USメーカーとはどこか
  • 2 stavaxとは何か
  • 3 Conformal cooling insertとは何か
  • 4 量産型とは何か

たった、2行のIRには4つもポイントがあります。
そして、これらを一つづつ紐解いていくことで、OPMラボなる会社がどんな会社なのかが序々に理解出来てきたんです。
最終的に解明できたのは、あのプラスチック展での社長との立ち話でしたけどw
大手USメーカーとは「HP」であり、Conformal cooling insertとはConformal coolingを配した金型だということ。
量産型とは100万ショットに耐え得る強度を持った金型であり、stavaxはその基本粉末だと。

それで、これらのことから何が読み取れるのか。
あのHPは今後3Dプリンターを事業の柱に据える予定である巨大企業であり、その会社が直接OPMと取引したこと。
そして、そのHPが、なぜOPMを採用したのか。
その理由は、コンフォーマルクーリングという生産革命に必須になる技術を認めたこと。
また、HPが認めその効果を確認したという事実は、すでにOPMという企業が世界企業になる可能性を秘めているかもしれないって思った次第。
少々時間を要しましたが、今後OPMラボが、世界でどういう立ち位置になるのか、なんとなく理解できました。

ソディック・OPMの思惑

そして、その後に自分が調べるテーマとして考えたのが、ソディックとOPMはどういう思惑で一緒になったのか。
これもプラスチック展での話で明らかになりました。
そもそも企業同士が一緒になるってことは、お互いの思惑が一致しないと無理です。
ソディックにもメリットがあり、OPMにもそれが必要です。
これを理解するキーワードは「ビジネスモデル」にありました。

現在3Dプリンターの世界には2社の巨人が存在します。
両社とも本拠地はアメリカです。
一つは3Dシステムズで、もう一社がストラタシス。
3Dシステムズのビジネスモデルは顧客に対し、3Dプリンターのソリューションを提案すること。
また、そのために3Dプリンターの関連企業を次々に買収しました。

一方のスタラタシス社のビジネスモデルはDDM事業。
DDMとは、いわゆる造形物を受注して納品するサービス事業。
OPMが目指すのがスタラタシスで、ソディックが目指すのは3Dシステムズです。
この話は間違いなく、森本社長は金子社長に伝えていると思います。
そして、今後、このDDM事業マーケットは途方も無く拡大することも。
また、OPMが提唱するマスカスタマイゼーションによって、DDMはすべてネットワーク化され、日本版インダストリー4.0のモデル事業になると思います。
ソディックはOPM250Lで造形された冷却水間入り金型を活用し、今まで弱点だった「射出成形機」の販売にも繋げる思惑です。
また、このデジタル工作機器を全面に打ち出して「インダストリー4.0」に対応していく姿勢をとってます。

結論として、ソディックとOPMは2つのビジネスモデルとインダストリー4.0への対応という意味から一緒になったんではないかと。

ほとんどの投資家は、こんな思いを無視して「日々の値動き」に一喜一憂していると思います。
しかし、この2社が近々どんなインパクトを世界に与えるのか、少し考えれば容易に想像できますよ。
大手も同じ事をやるから、そんなに簡単には事が進まないという方もいますが、それが「無理」であることは森本社長と金子社長のコンセンサスになってます。
なんでもかんでも真似できると思ったら大間違いですからw

ストラタシスの思惑

ストラタシス 日本進出を本格化

アルテックがリコーとDDM事業で業務提携って話でアルテック株はストップ高しました。
まあ、内容をろくに知らない人間が、よく買えるものだと。。。。
アルテックに投資した人間が、ここのブログを見ないことを願って、少しだけ解説します。
これは、ソディックOPMにも大いに関連することですから。

DDMとはDirect Digital Manufacturing
簡単に言えば、みんなのデジタル工場ですね。

アルテックの情報を見ても、具体的な情報はどこにもないので、リコーからの情報。
基本的にストラタシスの装置を10台設置して、ストラタシスの指導の下、DDM事業を展開しますってことです。
それで、営業はアルテックが担う。

おそらく、リコー側もすぐに利益が上がるとは思ってないでしょうね。
将来への布石です。
でも、この技術立国日本で、何が悲しくてストラタシスなんだと。
精度も違えば、レーザーも違うし、切削もできない。
まあ、金型の占めるウェートがさほど高くないからでしょうけど。
それか、この世界にもの凄く疎いかですね。

いきなり核心の話ですけど、今回の提携話のもとは「ストラタシス」だと思います。
知ってる方も多いと思いますけど、ストラタシスのビジネスモデルは「装置」の販売だけじゃなくて、このDDM事業なんです。
どちらというと、DDMがメインって感じ。
これが3Dシステムズと最も異なるところ。
3Dシステムズは3Dプリンター関連企業の買収と「ソリューション」で世界一に。
ストラタシスはDDM事業で世界一になりました。
まあ、3年後にはOPMとソディックが両方で世界一になってるかもしれないですけど ← ちょっと嘘入ってます。

さて、そのストラタシスがリコーを巻き込んでDDM事業に乗り出しました。
多くの方は「リコーとアルテック」に目が行くと思いますけど、自分は「ストラタシス」の戦略しか興味がありません。
基本的に日本で地盤のないストラタシスですから、日本へ進出するためには、どうしてもどこかと提携する必要がある訳です。
そのために、アルテックを通じてリコーへ話を持ち掛けたんでしょう。(たぶん)
それを証拠にリコーに対策本部ができたのが、昨年の9月。
それから半年でサービス開始ですから、リコーからすれば、まったくもって急な話だったんです。
ストラタシスからすれば、DDM事業のノウハウがある訳ですから、ほしいのは単純に「リコー」というブランドのみ。
そして、アルテックの役割は営業のみ。
いくら、DDMのノウハウをリコーがもっていたと言っても、DDMを生業としてる訳じゃないですからね。
つまり、今回の提携話は単にストラタシスが日本進出するにあたって、パートナーがほしかっただけの話です。
足固めのための戦略が今回の提携話ということです。
しかし、今回の話はOPMソディックにとってもいいことです。
DDMの存在を世に知らしめる絶好の機会になりますし。
別にライバルでもなんでもなくて、マーケット拡大のためには必要なことです。
さらには、現状ストラタシスとOPM250Lは完全に棲み分けができている状態ですし。
特に「金型」分野では、OPM250Lの精度が圧倒してて、切削できない装置ではそもそも勝負になりませんから。
まったくもって、今回の話はソディックOPMにとってメリットが大きいと思います。
ストラタシスは当然OPMの存在を知っています。
たぶん、森本社長とトップは面識があるはずです。
HPがOPMへ直接発注したもことも知ってるでしょうし。
両者が切磋琢磨することで、いよいよ第四次産業革命が始まりますよ。

テスラが3Dプリンターを使う理由

テスラとフォックスコンとOPM

以下の内容は旧ブログの内容について、加筆したものです。
今後ブレイクするであろう、テスラモータースの3Dプリンターに対する考えを紹介した内容です。
ほとんどの人は、まったく知らない内容であると思いますが、テスラ・フォックスコン・OPMラインが描くビジョンが詳しく書かれています。

テスラモータースとは

前情報がなければ、なんのこっちゃって話になりますので、少しばかりテスラに関する情報を。
テスラとは、イーロンマスク氏率いるベンチャー企業で、電気自動車を製造販売してます。
このマスクという人物は、スティーブジョブスの生まれ変わりではないかと言われるぐらいのカリスマ性を持ってて、今後アメリカの製造業を代表する企業になるかもしれないってぐらい注目されてます。
基本的にIT出身ですから、自動車というよりも「走るスマホ」のイメージを持った方が分かりやすいかもしれませんね。
将来的ビジョンは「空飛ぶ自動車」らしい。。
アップルやその他のIT企業からテスラにドンドン人が流出している事実からも、この会社の末恐ろしさが分かります。
まあ、それは置いといて、実際にテスラは市販車ベースの電気自動車を製造販売してまして、今後メチャメチャ伸びると予測されてます。
ざっくりすぎる説明ですけど、要は、これから物凄い可能性を持った自動車メーカーってことです。

テスラはOPMテクノロジーを利用してるっぽい

OPMに関しては、あまりにも材料が多いので、投資家目線的には、少しお腹いっぱいかもしれないですね。
でも、ひとつの読み物としてはおもしろいと思います。

昨年のIPFでの社長とのやり取りで「テスラ」の話題になりました。
ほとんどの人はこの部分はスルーするネタかもしれないですけど、将来的な可能性で言うと、HP・アップル等のIT関連以上の相手です。
なんせ、電気自動車はガソリン車以上にプラスチック比率が高くなります。
そのため、利用される金型も多い。
さらには、金属を直接造形する部分もあるため、「金属3DP」にとってはまさに、ビッグマーケットです。
但し、今後多くの国内メーカーも電気自動車市場にドンドン進出してきますから、特にテスラに拘る必要はないんですけど、テスラが金型を含めた金属3DPをどう考えているのかを知ることは、ソディックOPMの成長を予測する上で重要な要素だと思います。
それで、そのIPF2014での話ですけど、実際にはこんな感じでした。

パッパ : 先日、フォックスコンがテスラへの部品供給のための工場を建てるって話がありました。その部品は3Dプリンターで作るんですか?

社長  : ああ、あれは自分が考えて提案した。

そんなあっさりとw
何をどう提案したのかはまったく不明ですが、少なくとも、テスラがOPMテクノロジーを利用してるっぽいということは理解できました。
その件以来、自分でも情報を探して回って、何回か記事にしています。
今回はその中で、テスラが3Dプリンターをどのように活用するのかが書かれたフォーラムがありましたので紹介したいと思います。

自動車・炭素繊維・3Dプリンターとの関係性

http://www.teslamotors.com/sv_SE/forum/forums/3d-printing-carbon-fiber-auto-industry

掻い摘んで言うと、以下の内容です。

  • 自動車部品は、今後炭素繊維が使われるようになる。
  • しかし、炭素繊維の加工方法は「金型の造形に時間を要し」、現在でも「労働集約的」方法である
  • そのため生産ラインの変更に数週間掛ることになる
  • この問題を解決するため、ハードシェルの部分は3DCADで設計する
  • これらの問題を解決するためには、すべての自動化、ロボット化、及び3Dプリンターの大型が必須となる

言わんとするところは、炭素繊維は自動車には必須であるが、現状では、そのための金型の問題や製造工程において、労働集約的であり問題が多い。
それを解決するためにはすべてを自動化するとともに3Dプリンターの大型化が必須となる。
って書いてます。

それで、これに対する大半の意見の多くは、今後の方向性として、生産ラインの多くに3Dプリンターを活用していくことは間違いなく、サイクルタイムの短縮にも貢献するが、サイズとスピードが問題だと。

これに対してのテスラ側の見解
ほとんどの意見には賛同しており、以下の説明が代表的な見解になってます。

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Meaning that if a process for automating building with carbon fiber can be developed then many different designs could be fabricated on the same assembly line.
The factory in essence then is one big 3D printer.
Again to DTsea you are correct but the drawback of machine stamping of parts has nothing to do with accuracy or the properties of the finished parts or even the speed in which the are manufactured.
The drawback is the immense expense of retooling every time you want to roll out a new model.
The opportunity with carbon fiber in the possibility that you wouldn’t need significant retooling in order to manufacture different models and that in fact you might be able to build one off models or manufacture individual cars on demand.
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もし、炭素繊維で作られる自動車のプロセスが多くの異なるデザインを一つの組み立てラインで生産することができるならば、それはひとつの巨大な3Dプリンターの工場と言えます。
この意味するところは、従来からの生産方法を、すべてデジタル化することで、ひとつの生産ラインで、すべての自動車を生産することが可能となる。
今の生産ラインの問題は、モデルごとに発生する生産ラインの組み替えによる、莫大な費用だ。
炭素繊維を使える可能性として、生産ラインの組み替えなく、オンデマンドで自動車を生産することが可能になるかもしれない。
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ただひとつ言えることは、テスラが考える工場とは、ひとつの生産ラインですべてのモデルを生産することで、そこの中には3Dプリンターとロボットしかいないというものです。

今更、従来工法で造形した金型を使うことはないし、金属部分も可能か限り3Dプリンターを活用するつもりだということです。
テスラがフォックスコンと提携した時点で、テリーゴウ氏の頭の中は森本社長の顔が浮かんだんじゃないですか?
テスラの工場がひとつの巨大な3Dプリンターだという発想である以上、その部品は必然的に3Dプリンターで造形された金型になるであろうし、金属部品も、3Dプリンターで造形される可能性が高くなる。
プラスチック造形までも3Dプリンターってのは、精度的・速度的に早計ですね。

オンデマンドで自動車を作るということは、在庫を持たないということになりますから。
さらに、金属3DPが高速化大型化すると、よりこの傾向は強くなってきます。

結論として、「早くOPM600L出せよ!テスラが全部買ってやるから」って感じ? ← 妄想全開wwwwww
まあ、テスラがOPMテクノロジーを活用してるかもしれないって考えただけで、酒が旨いです。

世界最強コラボ「OPM250L+CFRTP対応V-LINE射出成形機」

ソディックはOPM250Lだけじゃないぞ!

まあ、板はお祭り騒ぎのようで、今日一日ぐらいはいいのかな?って感じです。
株価はマーケットで決まりますが、今日自分が気にしていたのは「出来高」。
この価格は圧倒的に出来高が多いレンジです。
つまり、信用売りも買いも、ここに集中してますから、そう簡単に上抜けすることはないです。
だから、端からストップ高なんて期待してないし、しない方が絶対にいいと思ってました。
信用整理の方が重要です。
今日の出来高で、おそらく昨年来の信用整理は終了したように感じてます。

さて、東証一部へ昇格した場合、企業側と投資家側には双方にメリットがあります。
投資家からすると、言わずと知れた「INDEX」ですね。
GPIF対象となりますから、逆に思惑で買われることになります。
さらには、ソディックは国策中の国策銘柄で「ものつくり日本」の中心的存在ですから、GPIFからしても投資対象にしやすいのではないかと、淡い期待を持っています。
まあ、そんなことを期待するよりも、実際にここが大化銘柄だと一般投資家に認知してもらった方が、よほど価値があります。
そして、ソディックにとっても大いにメリットはあります。
・ 対外的信用
・ 従業員のモチベーション
・ 安定株主の増加

少なくとも自分が思うにメリットの方が圧倒的に多いと思いますよ。
とりあえず、一部昇格の感想はここまで。
それでは、今日の本題です。

ソディックはCFRP/CFRTPの隠れた関連企業

どうすれば、ソディック+OPMの可能性を上手く説明できるのか、本当に難しいですね。
特性上、どうしても技術的な話にならざる得ないですからね。
ここのブログでも、何度も同じ内容の説明をするのは、テーマを理解してもらうためには繰り返ししかないと思ってるためです。
それで、今日のテーマは、ソディック一部昇格記念として「CFRP及びCFRTP」を取り上げます。
今までずっと、OPM中心でしたけど、今日はこのテーマを少しだけ掘り下げます。

今年の大テーマ、炭素繊維強化プラスチック

以前から声高に叫んでますけど、なんでこれが大テーマになるのか。
わかりやすいのは「東レがボーイング社から1兆円規模の受注」ですかね。
CFRPはとても軽くて丈夫なんですけど、かなり高価です。
しかし、それでもボーイング社はその素材を採用したんです。
理由は簡単ですね。
軽くすることで燃費が格段に良くなりますから、ランニングコストを考えれば、絶対にその方がメリット大きい。
そして、同じ理由で今年から「自動車業界」にもその流れが来てます。
フォルクスバーゲン・アウディ・BMW等のドイツ勢はすでに市販者ベースで炭素繊維樹脂を採用しました。
まあ、高級車だからできるってことかもしれないですけど。
しかし、この流れを世界中の自動車メーカーが追随してます。
そのため、東レだけでなく、三菱レイヨン・帝人等の繊維の巨人達は、この分野を最大のターゲットに研究開発を進めています。
なんせ、マーケットが尋常じゃないですから。

そして最近(でもないですが)ではCFRPとは違って熱可塑性樹脂を母材としたCFRTPの開発が進んでいます。
CFRPよりも安価で素材を溶かして冷やし固めることが可能となる素材で、こちらの方が、量産性に優れています。
それで、そのCFRTPとソディックとはどんな関係なのかですが。
昨年来、何度も自分はソディックのIRに対し、この問題を投げ掛けてまいりました。
その度に丁寧な説明を頂戴しており、旧ブログにもそれは載せてます。
実は、ソディックには、OPM250Lとセットでの販売を目指す装置にV-LINE射出成形機があります。
OPM250Lばかりにスポットが当たりますけど、ソディックのもう一つの目的が、このCFRTPを射出成形できる装置の販売です。
そのために、IPF始め、すべての展示会で「炭素繊維系プラスチック用」の射出成形機を出品しています。
この装置の凄いところは、「CFRP及びCFRTP専用」の射出成形機ではなく、既存の装置にセット可能はアタッチメント仕様にしているところです。
今後益々膨らむ需要ですから、既存の装置がそれを使えないのではいかにも問題がありますよね。
東芝機械が「CFRTP」を混練し射出できる装置を発表しましたけど、ソディックは専用機でないところがすばらしい。
しかしながら、ソディックがCFRTP関連企業との認識はマーケットは「ゼロ」ですよ。
この辺りの宣伝下手は本当になんとかしてほしい。
しかし、よく調べればソディックはこの分野へ本気で参入するつもりであり、もしかすると、すでに装置が販売されているかもしれません。
射出成形分野はソディックの弱点と言われてましたが、これがうまく採用されるようになると、OPM250Lとの相乗効果がさらに高まります。
それも、最大のターゲットとしている「自動車業界」で。

なんでOPM250Lとの相乗効果が期待できるのか?

ソディックのパンフレットって基本的に業界人向けですから、なんで相乗効果が期待できるのかってわざわざ説明してません。しかし、私どものような素人は、その意味を俄に理解することは不可能です。
そこで、その理由を簡単に説明します。
知ってる方は読み流してください。
OPM250Lの主な造形対象は「金型」です。
そして、ソディックの開発した射出成形機はOPM250Lが造形した「金型」を使ってプラスチック等を成形します。
そのため、企業内にこの2種類の装置があれば、金型から部品までの一貫生産が可能となるため、「相乗効果」が期待できるってことです。
「なーんだ、そんなことなら誰でも知ってる」って言われそうですが、ちょっと待ってください。
実は、そんな単純な話でもないかもしれないですよ。
パッパ的発想は、もう少し先に行ってます。
この「CFRTP」なる素材は、長繊維(1mm)のまま成形しなくてならない素材なんです。
もし、射出成形時にそれが短くなると、「強度」がなくなって「製品」にならない。
そのため、v-LINEはその状態を保持したまま、射出することが極めて重要な要素になる。
また、V-LINEから射出された「CFRTP」は金型に収まった際、金型内部の温度を上げたり下げたりしながら「成形」する必要があるんです。
これは、様々な文献に書かれてあります。
だから、「CFRTP」用の金型は「温度」管理ができないと「使えない」ってことになりますよね。
そこで重要になるのが、「コンフォーマルクーリングテクノロジー」なんです。
ご存知のようにOPM250Lで造形した金型には「コンフォーマルクーリング」を配することができます。
それも、OPMのノウハウが詰まった水管です。
この水管を利用することで、金型内部の温度管理が可能になる。
但し、自動車で使う大型の部品はもう少し先になるでしょうね

理解できました?
簡単にまとめると以下のような感じ。

  • 1 自動車業界では炭素系樹脂のCFRTPが主流になる
  • 2 CFRTPを成形するためには、「温度管理」が必須だ
  • 3 2を実現するためには金型内部に3次元水管を配する必要がある
  • 4 CFRTPを射出成形できる装置が必要になる

自動車業界で利用する金型+射出成形、その役割を担う本命はズバリ!

「OPM250L+V-LINE」のコラボだ!

であってほしいなあ。
あくまでも可能性の話ですよ。

森本社長との取材対談 公開します!(祝一部鞍替え)

一応ホットな話題について一言書き加えます。
今日の東証一部昇格のニュースが突然飛び込んできましたね。
自分的な感想は一投資家として素直に嬉しいです。
但し、その理由は単に株が騰がるということ以上に、世間に認知される。
あるいは、投資家層がまったく違ってくる。
「投機家」ではなく「投資家」が増えるってことですね。
おそらく、海外の見る目も違うでしょうから、極めてポジティブな出来事です。
まあ、今まで散々辛酸舐めてきたホルダー諸氏には、心から祝福したいと思います。
特に、ここの読者の方々は、多少なりとも自分を信じて、ここを投資対象にしてくださった訳ですから、その点が一番うれしいですね。
でも、まだ、これはスタート地点に立っただけです。
ファンダだけを見ても明らかに安く叩かれてる部分があります。
その面からも見直しされればうれしいですね。
さあ、次はいよいよ真打登場ですよ。
これ以上のインパクトになることは確実です。
あとは時間の問題です。

そろそろ公開してもいいタイミングになったと思いますので、すべて書きます。
実は、この内容については、反響が大きすぎ、当面公開することを控えておりました。
しかし、ソディックの株価も落ち着きましたので、ここら辺はが公開にはちょうどいいと判断しました。
但し、内容について、昔からの投資家の方にとっては新鮮なものとは言えないので、あしからず。
それでは、時間を約半年前にタイムスリップします。

————————————————

morimomoto.CEO VS Pappa
@ IPF2014

いよいよIPF2014が始まりました。
11時30分に幕張メッセ到着。
幕張メッセ1から8会場全部を利用しての展示会は始めて見ました。
会場1から歩きはじめ、目的のソディックは会場6。
しかしながら、会場は閑散。。超暇そうw
それで、6会場に入り、早速ソディックブースへ。


おお!メチャメチャ人がいるではないか!
それで目的のOPM250Lの説明箇所へ行くと、なんと自分だけw
さっそく、担当をつかまえて金属3DP談義。確認したことは以下の4点。

  • ? 造形時間
  • ? V−LINE射出成形との関係
  • ? 従来工法との兼ね合い
  • ? サービスビューロの役割

結果として、これら4つに関しては、以前自分がブログで書いた内容を周到してました。

? 造形時間について

10cm×10cm×10cmで2日ぐらい。
ミーリング精度は0.2程度。
0.1という高精度にするためには、別工程が必要。

? V-LINEとの関係

実際に見てもらわないとわからないと言われまして、明後日のデモで何かしらの仕掛けがあるみたい。
これに関しては森本社長も同じことを言ってました。

楽しみですね。

? 従来工法との兼ね合いについて

ソディックらしく「痛し痒し」とはっきり言ってました。
しかし、今回の製品の重要な部分は、実際の現場で使えるレベルになった世界で始めたの装置という部分を力説しておられました。

? サービスビューロについて

今回10台入れた理由については詳しい理由はわからないとのことでしたが、その理由は森本社長が後で教えてくれました。
理由は仕事がこなせないからw
膨大な仕事量があるらしいです。

これら以外にもいろいろと話しましたが、何でも教えてくれましたよ。
すべて、自分がブログで書いたことの確認ですけど。

その後、OPMブースへ

この模型を使って、事細かに森本社長に説明してもらいました。

森本社長と1時間の対談

1時間も話したので、内容な盛りたくさんです。
全部の内容をここに書くのは、無理があるため、重要な部分で「守秘義務」でないレベルのものを書きます。

  • ? ソディックとの関係グループ化の経緯

答えは簡単でした。
世界中に広がる放電加工の販売網と、何よりも技術力が桁外れにすごいからという技術的な理由です。
資本関係については聞き忘れましたけど、ソディックは製品面で全面的にバックアップするとのこと。
極端な話、「ソディック」しか選択肢がなかったということです。

  • ? フォックスコンとの関係

OPMを世界に送り出した会社です。
5年前からの付き合いで試作品レベルからの付き合いだそうです。
当時は、それでも「使い物にならないレベル」だったそうですが、今では製品用として、完全に信頼を得たということです。

  • ? ホンダとの関係

ホンダとは非常に関係が深いそうですが、具体的な仕事関係というより技術的な交流が大きいみたいです。
今後、ホンダがコンフォーマルクーリングを本格的に採用するという話ですが、取引については不明。

  • ? HPとの関係

おそらく、これは言っていい話だと思うので、ここに書きます。
自分はHPはフォックスコン経由の仕事だと思ってましたが、「直受け」だそうです。
ビックリしました。
今回IRにあった「プリンタートナータンク」はHP用で、何十種類を金属3DPで行くとおっしゃってましたよ。

  • ? アップルとの関係

(ノーコメント ゴメンナサイ)

  • ? パナソニックとの関係

実は、パナソニックがライセンスをオープンにして、どこでも利用可能だというのは、誇張だそうで、現実は今後どこも参入できないであろうとのことでした。
オープン化を否定するというよりも、現実的に不可能であるとの考えです。

  • ? 台湾・香港・シンガポールについて

中国も含めて、これらの国々は金型を3DPで造形することを国策にしているそうです。
それも、日本のようにゆるい国策ではなくて、国が全面的にバックアップするぐらいの勢いだそうです。
自分が、「日本の金型業界にとっては痛手になりますよね」って話を向けたら、「正直言って、日本の金型業界に未来はない」というちょっとショッキングな言葉。
OPMは完全に軸足を東南・東アジアに置くとおっしゃってました。
じゃあ、福井のサービスビューロは?って聞くと、「日本専用って意味ではない」とのこと。
要するに、HP・フォックスコン向けの工場の意味合いが強いです。
今後、このようなサービスビューロを東南アジア各地に置くと明言されてました。
まあ、別に日本を見捨てたというより、「叱咤激励」してるのかもしれませんが。
日本人のあまりの反応の薄さにちょっと「イラ」っと来てる感じです。
また、これらの地域での「金型」関係者の地位はものすごく高くて、給料も相当高いとのこと。
日本の3Kのイメージはまったくなくて、先端産業という位置づけです。

  • ? iPhone5C

(ノーコメント ゴメンナサイ)

  • ? 金型全般の技術について

コンフォーマルクーリングも含めて、従来工法の様々な問題点をひとつづつクリアーしてきた。
あまり細かい技術的なことを言われたので、ざっくり言うと、金属3DPは凄いとのことw

  • ? クラウドシステム・試作品市場

例えばシリコンバレーで試作してOKが出たデータを。クラウド経由し上海工場でコンフォーマルクーリングを配して金型造形するってことは、今もやってるそうです。
試作品に関しては、コンフォーマルクーリングや硬度も必要ないので、安く早く造形できるので、金属3DPには最適だと。
そりゃそうですよね。

  • ? 明後日のソディックデモについて

かなり期待してくださいとのこと。
おそらく、V-LINEとの連携だと想像してますけど、明後日までの楽しみにとっておきましょう。

  • ? テスラについて

たぶん、今回自分的には一番のサプライズでした。
言っていいと思いますけど、フォックスコンがテスラの部品を作ることになってますけど、その部品の造形方法は森本社長がフォックスコンへ提案したそうです。

ひょええええええ

  • ? フォックスコン内のOPM研究室について

あれは、うちだよって言ってました。
ああ、やっぱりフォックスコン内にOPM研究室ってあったんだって改めてびっくり。

  • ? 最後にEOSとの関係及び世界標準化について

EOSとは以前関係があったそうです。
しかし、金型造形技術は金属造形の技術を内包しているため、いつでも金属造形には対応できると。
逆にEOSは金型を造形することはできない。
ということは、OPMは世界標準になりますか?と質問したら、当たり前みたいな顔で「なります」って、まずはアジアからのようです。

あまりにテンパッてて、じゃあ、新工場はどこなの?ってことを聞き忘れちゃいました。
ここまで教えてくれたら十分ですけど。

ちなみに今回のツアーは台湾だけじゃなくて、香港からも来てるそうで、100人っていうのは誇張でなくて、事実ですって。
途中で香港の知り合いと握手してて、自分はそこで失礼しようと思ったんですけど、社長がそのまま話続けるもんだからw
いやあ、本当にたのしい時間をありがとうございました。
 
何聞いても教えてくれるもんだから、下手に掲示板なんかに書けないですよw

OPM250L 60台生産の訳

ソディックは、OPM250Lをなぜ60台も生産しようとしたのか

これから書く内容は、もしかするとかなり的外れな内容なのかもしれないですから、
あくまでも、個人的見解と前置きしておきます。

さて、OPM250L年間60台ってどこから来た数字だと思います?
販売計画に沿った生産計画での台数だとか、マーケッティングした結果の数字だとか?
さあ、どうでしょう。
これについては、ソディックと森本社長の機密事項かもしれないですね。
自分がこの台数について、一度、担当に聞きました。
答えは、あくまでも「販売目標」だ、とのこと。
まあ、営業の立場からすればそうでしょうね。

この台数をもの凄い台数だと思う人は、金属3DPの世界をよく理解している人です。
2014年度の金属3Dプリンター世界出荷台数はおおよそ140台。
EOSのシェアは45%ぐらいとして、140×45%=65台。
もし、OPM250Lがその販売目標を達成したなら、
なんと、EOSと同じシェアになってしまう。
開発して、翌年いきなり世界のトップシェアと肩を並べるかもしれない。
でも、ソディックOPMはその途方もない販売目標を掲げた。
現在はテスト造形期間なので、結果が出るのはたぶん2か月後ぐらい?

しかし、今日のテーマはこの台数が売れるかどうかという話じゃないです。
この数字の出どころが知りたかった。
つまり、その根拠ですね。
それで、色々調べた中に、OPMの技術論文を見つけました。

金属光造形複合加工企業間ネットワーク構想

金属光造形複合加工技術による精密金型製造技術開発とネットワーク企業連携の概要

http://www.opmlab.net/tech_paper/images/2009_plastics_age_11-1.pdf

この資料に60台のヒントがありました。
さらに、今回ソディックがOPM250Lと同時に展開しようとする「射出成型機」も。
金属3DP装置60台、射出成型機45台。
この時点の構想は「LUMEX」です。
あくまで想像ですけど、この構想に松浦は難色を示したんじゃないですか?
森本社長のとんでもない構想に「そんなバカなことできない!」って感じで。
ちょうど論文が発表された時期も2009年11月ですから。
それで、この構想に乗ったのが「ソディック」。
これが、松浦からソディックに乗り換えたきっかけだったような気がします。
そして、自分がかねてから書いてきた「企業間ネットワーク」に繋がります。
森本社長はこの構想に具体的な台数まで指定しました。
彼のことですから、この数字の根拠は絶対に計算してます。
OPMだけでOPM250Lは20台ぐらい。
それ以外で40台のネットワークが当面の目標となる。
この表にある、「国際」という言葉が味噌ですね。
国内だけのネットワークではなく、世界的なネットワークを念頭に置いています。
社長は自分に「世界中のOPM250Lをネットワークで結ぶ」と断言しました。
当然、中には、独自に使いたいと言う企業も出てくるとは思いますが、実はそうであっても、OPMネットワークに参加せざる得ない理由があるんです。

種々データ共有クラウド

OPM250Lを動かして金型を造形するためには、そのためのノウハウが必要になります。
従って、いきなり装置を導入しても、すぐに金型を造形できる訳じゃない。
しかし、OPMクラウド(俗称)を利用すれば、長年OPMが培ってきたノウハウを自由に活用することが可能となり、工程管理からパーツ管理、ガスベント(ポーラス)管理までもノウハウを利用することが可能になる。
それがデジタルの特性ですから。
結局OPMクラウドに参加した方が絶対にメリット大きくなるんです。
これには、二つのメリットがあります。
一つには「ノウハウやソフトの共有」もうひとつが「営業的」側面。
クラウドに参加した企業はノウハウだけでなく、現在の稼働状況までも情報として共有しますから、空きのある各マシンを利用することも可能。
営業は、自社だけの生産ラインで仕事を考える必要はなく、クラウドに参加する各マシンを利用することができる。
まあ、このあたりは前回にも書いたことですから、復習になります。

ちょっと話を戻します。
マシンの稼働状況が高めることは、その金属粉を販売するOPMにとって、大きなメリットがありますよね。
機械だけでなく、稼働率がを高めることで「金属粉」の売上も伸びる。
まさに互助会みたいなもんですよ。
さらに、そのネットワークは年々増え続け、大型化・スピード化もガンガン進みますから、台数増加率以上に金属粉使用率は増え続けていきます。
単純にレーザースピードが倍になれば、台数が同じでも、金属粉は倍使われます。
台数が増え、レーザーが高度化されれば、倍々ゲームで売り上げが増えます。

初年度いきなり年間60台という販売目標を掲げた理由は、1年間でOPMクラウドを完成させるという森本社長の絶対的な自信の表れだと思います。
もう少しすれば、自ずと答えが出ますよ。
それまで、静かに情報が出るのを待ちましょう。
世間をアッと言わせましょう

企業連携グリッドシステム

逆立ちしても、EOSがOPMに勝てない理由

本題に入る前に昨日のおさらい。
森本社長があそこまで自信に満ちたコメントをするには理由があるんです。
実際に「金型」として実用レベルにこぎつけたは、今から6年ぐらい前。
それまでは、まったく使い物にならないレベルで4ヶ月間装置動かないとか、試作してもまったく商品にならない時期も。。
寝る暇もないぐらい根を詰めても、使える金型造形ができない。
そんな悲壮な毎日が続いていたそうです。
絶望的な日々の中、転機になったのが平成15年から始まった産官学連携の政府系プロジェクト。
これによって、一筋の光が差してきます。
そして、その後に採択された「金属光造形複合加工と成形技術の高度化による企業連携グリッド構築」に参加することで、さらに高度な技術が開発され、ようやく「使える金型」を造形することが可能になったんです。
このような紆余曲折で森本社長が得た結論、それは「部品のための金型」を造形するためには、「切削が同時に行える複合加工しかダメだ」というものです。
逆に言えば「切削ができない金属3DP」では「部品のための金型」を造形することは不可能だと。
だから、どんなに逆立ちしてもOPMがEOSに負ける訳がない。
それが、長年の経験から導き出された結論です。

企業連携グリッドシステム

さて、これとは別にもう一つの側面を紹介します。
一口に金型と言っても、ひとつの製品で複数の金型が必要となります。
しかし、金属3DPを複数持てる会社なんて、ほとんどありません。
それに、ひとつの製品の中で、たった一つの金型だけを受注しても意味がないし、効率的とは言えません。
このような状況を打破するための方法として考えられたのが「企業連携グリッドシステム」と言われる発想。
簡単に言うと、複数の3DPをインターネットですべて繋げて連携し、リソースを共有しようとするもの。
OPM社内に統括サーバーを置き、工程管理から装置管理までを行う。
そして、そのサーバーには金型造形に関するノウハウや造形データまでもDB化し管理する。
単純なクラウドではなく、巨大な金属造形3DPネットワークを形成するというもの。

逆にこれができないと、一つの製品の金型さえまともに造形することができないし、どんなに優れた装置でも、大きなネットワークで連携しないかぎりその威力を生かすことができない。
元々、森本社長はこの分野のエキスパートでしたから、発想そのものを具現化することは可能だと思います。
問題はシステム以上に、それを生かすための企業スキルの方かもしれないですね。

このことは前にも説明しましたが、今後のOPM250Lの成功を左右する重要な問題になります。
現状では、すでにOPM社内でこのネットワークは実現されていますが、今後、複数の企業がこのネットワークに参加するようになれば、本当に大きな産業になりますよ。
但し、これはまだ実験中のようです。
もしかすると、「東新」さん辺りで実験中かもしれないですね。
さあ、どうなんでしょう。
今後の展開が楽しみです。
近々これに関する情報が出されると思ってます。

OPMが世界標準になる理由を明言

【OPMテクノロジー】
デフェクトスタンダード宣言

いやー昨日の森本社長のコメントには驚かされました。
今日は、自分なりにそのポイントを整理したいと思います。

  • 1 金属3DPのターゲットになるマーケットとはどんなものか
  • 2 金属3DPには何が求められるのか
  • 3 OPM250Lと他社製3DPの違いはどこにあるのか
  • 4 他社製の3DPの問題点は何か
  • 5 今後、OPM250Lはどのような展開になるのか

1 金属3DPのターゲットになるマーケットとはどんなものか

森本社長がおっしゃるように、世の中の製品のほとんどは、いろんな部品を組み合わせて作られてますよね。
だから、当然3DPで造形したものは、製品の一部となる部品として存在させなければならない。
つまり、OPM250Lがターゲットとしているのは、「部品」のもとになる「金型」、あるいは「部品」そのものを作ることだと。
森本社長からすれば、当然の発想でしょうけど、投資家からすれば目からうろこです。
世の中には膨大な量の「部品」が存在してますからね。

2 金属3DPには何が求められるのか

じゃあ、その「部品」に求められるものって言うのはなんだろう?
簡単に言えば「精度」です。
部品ですから「精度」が従来の部品と「同じレベルでないと使えない」ですよね。

3 OPM250Lと他社製3DPの違いはどこにあるのか

2に関連して、じゃあ、他社の金属3DPの制度で金型を作ったらどうなるのか。
答えは「そのままでは使い物にならないから二次加工が必要になる」ってこと。
しかも、基準点をもってないから、二次加工がものすごく大変。
早い話がEOS製3DPで「金型」とかやめた方がいいって、はっきり言ってます。
一応言葉は濁してますけど。
自分もずっとそう思ってます。
つまり、金型に求めらる精度を達成するためには、最低でも光造形複合加工方式でないと「無理」ってことです。
その中でも、LUMEXとOPM250Lを比較したら、遥かにOPMの方が精度が高い。
後残された問題はレーザー技術なんですけど、正直この技術はまだ、EOSが上だと思います。
しかし、近いうちに追い越すことが出来ると確信されてるようです。

4 他社製の3DPの問題点は何か

3に関連しますけど、今、世の中に存在するOPM250L以外の金属3DPは、ほとんどが「単独造形製品」でしか使えないとおっしゃってます。
スプーンとかナイフとかみたいな。
要は、部品にできるほどの精度を求めることは不可能に近いし、問題点や制限が多すぎると。

5 今後、OPM250Lはどのような展開になるのか

それで、今後OPMシリーズはどうなるのかって話です。

海外勢に負けることはないと思います。1年以内に答えははっきりすると考えています。

おそらく、一年以内には「部品向け金型用3DP」はOPMシリーズでしか「造形」できない、ってことが業界内で明確になるはずである明言しました。
すると、どんな未来が起きるのか。

欧州製造業が、弊社技術を積極的に採用をしている

この弊社技術つまりOPMテクノロジーって言うのは、コンフォーマルクーリングだけじゃないですよ。
金属粉だったり、金型造形に関するノウハウだったりします。
わざわざ極東のベンチャー企業の技術を使ってまでも、その技術で「金型」を作りたいって思わせるって凄いことだと思いませんか?
つまるところ、「OPMが世界標準になる理由」をあそこで簡潔に説明したんです。
これは、ある意味「OPMのIR」と同じですね。^^

OPM600Lで金属3Dプリンターシェアが圧倒的なNo1になる?

これは、今年の1月にヤフーブログで掲載したものです。
当時の認識と今の認識では微妙な差があるものもありますので、都度、転載・加筆していきます。
OPM初心者の方、是非一読お願いします。
その間も新ネタがあれば、当然情報提供しますよ。

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OPMシリーズの狙い

先日OPMが公表した「OPMの大型化に関するロードマップ」がありましたよね。
OPM画像1

これって真面目に凄いことなんです。
何が凄いって、昨年末パナソニックが出した、今後の課題という下図。
これをOPMは全部2年以内に実現させようとしてるんです。
(セラミックに関しては不明)
しかも、□500mmじゃなくて□600mmですよw
なんでこんなことが可能なのかってことですけど、これはもうソディックとOPMの技術力の凄まじさ以外ないです。
これが可能だと考える理由は「Dual laser」の開発がすべてです。
先日、森本社長が誇らしげに語っていた「Dual laser」です。
実は、森本社長には大きな目標があって、ドイツのもつレーザー技術に対抗するレーザーを開発すること。
これができれば、今世界的に先行している「EOS」に太刀打ちできる。
そのすべての基本はレーザーにあるんです。
放電加工とNC精度に関してはソディックは世界ナンバーの技術、それも圧倒的な技術力を持つ会社ですから、そことOPMの技術力があれば「Dual laser」でEOSに対抗できると踏んだんでしょう。

OPM画像2

実際、今はEOSが世界シェアのトップを独走してますけど、実際に金型向けの金属3DPの市場規模はメチャメチャ小さくて、導入してる企業は限りなく「ゼロ」に近い状態。
だから、現状でシェア云々という話自体がナンセンスなんです。
それで、OPM250Lっていうのは、ソディックが言うように「業界初のワンストップソリューション3Dプリンター」ですから、言い換えれば、世界で初めて「実用として使える金型向けの3Dプリンター」です。
しかし、この金属3Dプリンターは、時間との戦いが勝負を分ける世界ですから、レーザー技術が世界最高のドイツEOSに金型分野以外で対抗することは難しいんです。
しかし、逆に「コンフォーマルクーリング」や「光造形複合加工」という部分においてEOSを遥かに凌駕しているため、「金型分野」ではOPM250Lが圧倒的に有利な立場にいます。
ただ、EOSをいくらリードしたところで「本当の敵はEOSではなくて既存の金型技術」ですから、それへの対抗を考えた結果、やはり「レーザーが問題」になるんです。
それで今回、大型化のロードマップの目標として、2年後に600Lを出すと公言しました。

600Lの意味

このDual laserに関してなんですけど、従来の金型造形と3Dプリンターによる金型造形との住み分け(シェア)を奪取するということも大きな目的ではあります。
しかし、森本社長はこの技術があればEOSを追い抜くことが可能だと考えています。
それは、レーザーの技術が進めば、金型以外の分野へも参入できるからなんです。
また、そう考える根拠は、金型で培った「精度」に対する絶対的な自信です。
おっしゃっていたのは、「金型で必要な精度と、金属部品造形に必要な精度を比較した場合、金型向けの方が、圧倒的に高い精度が要求される」
つまり、金型の精度をクリアーできた技術は、そのまま「金属部品造形」で「差別化」になりうる。
さらに、「強度」(硬度じゃないです)という部分でも金属部品より強いものが要求される。
この「精度」と「強度」に「Dual laser」という武器が加わることができれば、「金型」だけでなく、「金属部品」全般へとマーケットを拡大することが可能だと。

今求められる金属3DPの差別化の条件は「精度」「強度」「速度」ですから、この3つで世界最高の技術を持つことができれば、「EOS」打倒は容易だと考えます。
それによるマーケットも無限です。
さらに、先日行われてプライベートショーでは、Dualを凌ぐ「Double Dual」つまり4つのレーザーを利用する予定だと言う事が明言されたそうです。

この資料おもしろいでしょ。

OPM画像3

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/new_mono/pdf/001_03_02.pdf

直接造形の割合の伸びが物凄いことになってるんです。
それで、その中心は「自動車」と「医療」。
OPMはすでにフォックスコン経由でテスラと協業すると思いますし、ホンダとも強い繋がりがあります。
さらに提携先の「FIRST ENGINEERING」は「医療」と「自動車向け」の金型、プラスチック製品を作ってます。
今のOPMはいろんな条件が揃いつつあることから、圧倒的な成長性を持っていることに疑いの余地はありません。
今はまだ5億ぐらいの売り上げしかないんですけど、数年後には社長の言う「100億」も有り得るかもしれないですね。
それで、今年がそのスタートの年なんです。
ソディックの「資本と技術と販売網」、OPMの「技術と経験」
もう怖いものなしでしょ。