これは、今年の1月にヤフーブログで掲載したものです。
当時の認識と今の認識では微妙な差があるものもありますので、都度、転載・加筆していきます。
OPM初心者の方、是非一読お願いします。
その間も新ネタがあれば、当然情報提供しますよ。
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OPMシリーズの狙い
先日OPMが公表した「OPMの大型化に関するロードマップ」がありましたよね。
これって真面目に凄いことなんです。
何が凄いって、昨年末パナソニックが出した、今後の課題という下図。
これをOPMは全部2年以内に実現させようとしてるんです。
(セラミックに関しては不明)
しかも、□500mmじゃなくて□600mmですよw
なんでこんなことが可能なのかってことですけど、これはもうソディックとOPMの技術力の凄まじさ以外ないです。
これが可能だと考える理由は「Dual laser」の開発がすべてです。
先日、森本社長が誇らしげに語っていた「Dual laser」です。
実は、森本社長には大きな目標があって、ドイツのもつレーザー技術に対抗するレーザーを開発すること。
これができれば、今世界的に先行している「EOS」に太刀打ちできる。
そのすべての基本はレーザーにあるんです。
放電加工とNC精度に関してはソディックは世界ナンバーの技術、それも圧倒的な技術力を持つ会社ですから、そことOPMの技術力があれば「Dual laser」でEOSに対抗できると踏んだんでしょう。
実際、今はEOSが世界シェアのトップを独走してますけど、実際に金型向けの金属3DPの市場規模はメチャメチャ小さくて、導入してる企業は限りなく「ゼロ」に近い状態。
だから、現状でシェア云々という話自体がナンセンスなんです。
それで、OPM250Lっていうのは、ソディックが言うように「業界初のワンストップソリューション3Dプリンター」ですから、言い換えれば、世界で初めて「実用として使える金型向けの3Dプリンター」です。
しかし、この金属3Dプリンターは、時間との戦いが勝負を分ける世界ですから、レーザー技術が世界最高のドイツEOSに金型分野以外で対抗することは難しいんです。
しかし、逆に「コンフォーマルクーリング」や「光造形複合加工」という部分においてEOSを遥かに凌駕しているため、「金型分野」ではOPM250Lが圧倒的に有利な立場にいます。
ただ、EOSをいくらリードしたところで「本当の敵はEOSではなくて既存の金型技術」ですから、それへの対抗を考えた結果、やはり「レーザーが問題」になるんです。
それで今回、大型化のロードマップの目標として、2年後に600Lを出すと公言しました。
600Lの意味
このDual laserに関してなんですけど、従来の金型造形と3Dプリンターによる金型造形との住み分け(シェア)を奪取するということも大きな目的ではあります。
しかし、森本社長はこの技術があればEOSを追い抜くことが可能だと考えています。
それは、レーザーの技術が進めば、金型以外の分野へも参入できるからなんです。
また、そう考える根拠は、金型で培った「精度」に対する絶対的な自信です。
おっしゃっていたのは、「金型で必要な精度と、金属部品造形に必要な精度を比較した場合、金型向けの方が、圧倒的に高い精度が要求される」
つまり、金型の精度をクリアーできた技術は、そのまま「金属部品造形」で「差別化」になりうる。
さらに、「強度」(硬度じゃないです)という部分でも金属部品より強いものが要求される。
この「精度」と「強度」に「Dual laser」という武器が加わることができれば、「金型」だけでなく、「金属部品」全般へとマーケットを拡大することが可能だと。
今求められる金属3DPの差別化の条件は「精度」「強度」「速度」ですから、この3つで世界最高の技術を持つことができれば、「EOS」打倒は容易だと考えます。
それによるマーケットも無限です。
さらに、先日行われてプライベートショーでは、Dualを凌ぐ「Double Dual」つまり4つのレーザーを利用する予定だと言う事が明言されたそうです。
この資料おもしろいでしょ。
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seisan/new_mono/pdf/001_03_02.pdf
直接造形の割合の伸びが物凄いことになってるんです。
それで、その中心は「自動車」と「医療」。
OPMはすでにフォックスコン経由でテスラと協業すると思いますし、ホンダとも強い繋がりがあります。
さらに提携先の「FIRST ENGINEERING」は「医療」と「自動車向け」の金型、プラスチック製品を作ってます。
今のOPMはいろんな条件が揃いつつあることから、圧倒的な成長性を持っていることに疑いの余地はありません。
今はまだ5億ぐらいの売り上げしかないんですけど、数年後には社長の言う「100億」も有り得るかもしれないですね。
それで、今年がそのスタートの年なんです。
ソディックの「資本と技術と販売網」、OPMの「技術と経験」
もう怖いものなしでしょ。