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OPMを認め、ビジョンを明確にしろ

ヤフーしかり、アップルしかり。
時代の流れを理解することは、いと難しくなり。

たぶん多くの投資家は、今年には3Dプリンターで結果を出すに違いないと、何の根拠を持たない空想でソディックに投資したんでしょうね。
デジタルにより、産業革命の先頭を走り、日本の物つくりを抜本的変えるかもしれないって言うことを、実は「当事者」のソディックさえ「まったく理解していない」。
それは、決算資料を見れば解ります。
日本版インダストリー4.0へは一言も言及していないですし。
3Dプリンターに関する記述が多くあっても、それが産業界に対してどんなインパクトを与えるのかには、まったく言及していない。

単純に引き算が足し算になったぐらいにしか考えてない。
今までデジタルとは無縁の業界だから、それがどれほど大きなインパクトを持っているのか理解することができないのかもしれない。
早い話、OPM森本社長が目指す、デジタル革命の意味すら理解していないし、理解しようともしていない。
ちょっときつい言い方をしましたけど、ソディックの一部の人は理解してますよ。
ただ、それを全社的にコンセンサスにすることは不可能。
なぜなら、今でもソディック=放電加工を否定することは絶対にできないですから。
社内的にそれを全面に打ち出せば、ソディックの屋台骨をも揺るがしかねない。
あくまでもソディックからすれば、3Dプリンターは「放電加工機」の補完的な意味でしかない。
しかし、OPMがやろうとしていることが、どれほど大きな意味があるのかを理解しいるのが、「ソディック」ではなく、OPMの顧客であるフォックスコンやアップル・HPだという事実は絶対に無視することはできない。
普通、そんな巨大企業が率先してOPMテクノロジーを採用すれば、戦略的に第一義的なスタンスを取るはずですよ。
でも、ソディックはそうはしない。
理由は簡単「よくわかってないから」。
装置の技術的は側面は理解しても、それがもたらす巨大なメリットを理解することができない。
決算資料を見れば、具体的な方向性に関する記述はゼロ。
3Dプリンターを頑張って開発しますって書いても、将来のビジョンが書かれてなければ、そりゃあ失望します。
まあ、いいです。
OPMはソディックとは関係なく、自分たちが考えるビジョンを信じていればいいと思います。
ソディックはそれを全面的に認めて応援するスタンスを貫けばそれでOK。
それ以外はまったく期待しない。
とりえあず、「保守的」でもなんでもいいですけど、OPMの方向性だけは尊重してほしいし、それを過小評価することだけはやめてほしい。
10年後、OPMがソディックの売上げを超えることも十分に有り得ることですから。

決算雑感

いろんな見方があるのは当たり前のことですね。
相場が投機化してる時点で、決算後の下落は人気株の宿命です。
下がった理由なんて後付けですから。
マスコミで言う「〜からの思惑でウンタラカンタラ」という取って付けた様な理由と同じ。
相場は相場に聞けですから、明確な下落理由がないのであればマーケットの意見が総意というだけの話です。
しかし、それがそのまま企業価値を反映したものでないのも事実。
会社が利潤最大化のための努力をしているので、株価を必死に上げるために頑張っている訳ではないですから。
自分たちは某掲示板のような、我田引水のための道具には正直辟易してます。
自分で情報を調べることもなく、俄か知識であーだこーだと言われてもね。
それを信じて売ったり買ったりするのはちょっと「投資スタンス」からすれば、明らかな間違いだと思います。
という自分も頻繁に「あそこ」に色々書き込んでいたことをも反省する次第ですが。
株式投資を始めて25年経ちましたが、今でもソディック、っていうかOPM程の可能性のある銘柄は早々見つけることはできないです。
単純に株価だけから判断すれば、ミクシーとかのゲーム関連の方が暴騰率は高いのかもしれないですけど、ずっと世界標準銘柄を探してきた自分にとっては「投機」の対象にはなっても「投資対象」にはならない。
だから自分はOPMに賭けたんです。

さて、今回の決算について触れたいと思います。
ソディックの体質として、今回の決算はあまりにも予想通りでした。
この決算から特に中身を精査する必要もないです。
強いて上げるならば「売上高」がコンセンサスよりも約9%も高く設定されている点と、それにも関わらず営業利益は僅かの上昇になっている点。
純利益を減益と予想しているのは、決算資料が出るまではコメントできないですね。
営業益の伸びが低いのは、為替の変動率の問題と仕入れ価格高騰を考慮してるのかな?
但し、ソディックの場合は生産拠点が世界中にありますから、為替変動の影響はそれほど大きくはないと思ってます。
まあ、その辺も外的要因が大きいですから、企業としての価値を考えるに当たって、自分達は「売上高」を基準に判断するしかない訳です。
売上げが伸びない限り営業益も増えないですからね。
さて、今期のコンセンサスと予想の差が約60億。
これが何に当たるのかは公表されませんけど、その中には間違いなくOPM250Lも入ってます。
ある意味コンセンサスよりも60億多く見積った時点、かなり強気だと言えなくもないですね。
ちなみにOPM250Lを60台売った場合の売り上げは約45億ぐらいだと思います。
おそらく、OPM250Lの利益率は他の工作機械よりも断然低いはずですから、会社への利益貢献度は微々たるもんです。
これが、売上げの伸びに対する営業利益率の低下要因ではないかと、個人的には考えてます。
もっと、具体的に言うと、60台の内12台はすでにOPMというグループ企業への提供なので、利益率はさらに押し下げます。
これが売上げの伸びと利益の伸びが相反する原因です。
逆に言えば、この利益率低下がOPM250Lの出荷台数の伸びを証明してると言えなくもない。
まあ、これに関しては、あくまでも希望的な読みですけどね。
さて、問題は今後の展開です。

段階的にはOPMとソディックが主導するDDM事業が柱になってきます。
今回の数字には、その予測を織り込んでません。
なぜなら、それはOPMラボの事業だからです。
前から言っているように、OPM250L本体の売上げとか利益を大きく期待することは、ビジネスモデル的に少し違います。
以前、ストラタシスと3Dシステムズの話をしましたが、OPMが目指す方向はDDM事業でソディックが装置販売。
じゃあ、どちらの利益率が大きいのかというと、圧倒的にDDM事業が大きい。
OPM250Lを量産型として原価を低くしても、100台売って10億がやっと。
しかも、DDM事業では売り切りではなく1台の装置が毎年継続的に売上げを叩き出してくれる。
森本社長がDDM事業とメンテナンス・サポート・サプライ品の売上げ等、数年で100億を目指すというのは大風呂敷でも何でもなく、客観的に可能な数字なんです。
すでに、20台の装置がフル稼働状態で、毎年ドンドン装置を増やし、さらにOPMシリーズが大型化をします。
さらに、OPMラボ以外の企業との連携が始まりますから、夢は広がります。

デジタル化の流れを止めることはできないよ。

勘違いしてる人も多いと思いますけど、OPM250Lという3Dプリンターは、基本的にパソコンデバイスなんですよ。
つまり、本当のプリンターです。
しかし、ソディックという工作機械メーカーが作ると、なんだかアナログの装置だと思ってします。
これが根本的な発想の間違い。
今まで「職人の技」だった「金型」がデジタルで造形できるようになった訳だけど、かなり年齢の行った職人が、今さらパソコンで「金型」を作るってことは相当大変なこと。
しかし、アナログからデジタルへのトレンドは避けて通れない。
もしかしてOPMラボが一番苦労するのは、これらの熟練工に対してコンセプトを説明する部分かもしれない。
さらに、高いハードルがありますね。
従来の二次元水管から三次元水管への移行という部分。
これに関しては従来工法のノウハウがほとんど役に立たない。
でも、時代は絶対に後戻りできない。
だから、多少の時間は掛っても、パソコンで「金型」を作る時代は必ずやってくる。
「精度」とか「時間」とかという悲観論もなくはないけど、現実にそれらがOPMによってフィックスされてしまった。
HPやアップル、ホンダがその有用性を認識して採用している時点で、もう答えは出てますから。
つまり、時間の問題。
様々なリスクを理解した上で、そのトレンドに乗れた会社だけが甘い蜜を享受することができる。

コンフォーマルクーリングはアプリでは作れない

みんなが勘違いしているもうひとつの部分。
もしかすると、投資家だけじゃなくて、金型業界の人間ですら、勘違いしている可能性が大きいかも。
コンフォーマルクーリングテクノロジー=OPMテクノロジーと言えるほど、この技術は3Dプリンターにとって重要な要素です。
逆に言うと、この技術を使えることが金属3Dプリンターの最大のメリットです。
しかし、3Dプリンターなら、簡単にコンフォーマルクーリングの水管を配することが可能だと、思ってる人も多いでしょう。
MOLDEX3Dというソフトがあります。
これは金型造形のためのCADシステムですけど、現在主要は自動車メーカーのほとんどで利用されています。
そして、OPMは、このMOLDEX3DPにコンフォーマルクーリングのシステムを提供しています。
つまり、MOLDEX3DPのソフトを使う自動車メーカーが金型を設計する場合には、OPMのアプリを利用してコンフォーマルクーリングのシミュレーションを行うことができるわけです。
しかしながら、これで簡単にコンフォーマルクーリングを設計できるわけじゃなくて、最終的には水管の最適化は「人のノウハウ」が必要になります。
しかし、そんなノウハウは従来工法の金型職人は持ってません。
じゃあ、どうするのか。
そこで今まで積み上げてきたOPMテクノロジーが必要になるんです。
OPMが長年培ったコンノーマルクーリングテクノロジーをOPM250Lユーザーと共有するための仕組むを考えたんです。
EOSを始めとする欧米企業は基本的に「金属造形のための知識」は高くても、「コンフォーマルクーリング」の技術は持ち合わせてません。
しかし、サイクルタイム短縮にはこの技術が不可欠であるため、どの金属3Dプリンター開発企業は「コンフォーマルクーリングを配することができる」ということを謳い文句にしています。
ただ、ユーザーが欲する情報は「コンフォーマルクーリングを配することができることではなく」て、「どうのようなコンフォーマルクーリングにすればよいのか」という部分です。
これこそ、最重要な問題です。
どれほどレーザー技術が凄くても、どんなに大きな金型を作れても、この「コンフォーマルクーリングに関するノウハウ」がなくては、まったく意味を成さなくなってしまいます。
差別化の部分では、この技術があったからこそ、HPやアップルがOPMを採用した訳ですね。
だから、OPM250Lが売れない訳がない。
装置が凄いから売れるというよりは、「コンフォーマルクーリング」のノウハウも持つOPMがサポートすることが最も大きな導入動機になります。

まあ、決算があーだこーだという前に、今期どんなサプライズが飛び出すか、楽しみに待つことにしましょう!

アップル・HPの戦略的意図

なぜOPMテクノロジーが必要だったのか

OPMと一緒に仕事している会社は、今まで散々ここで取り上げてきました。
ここを以前から読まれている投資家からすれば既知の事実だとは思いますけど、最近買った人にとっては、何の会社なのか、まるで知らないと思いますので、ちょっと触れたいと思います。

実は、HPやフィリップス?との仕事関係が公になってきたのは、結構最近の話です。
昨年末、ヒューレッドパッカードからの直接受注のIRや、欧州大手電器メーカー(日経情報)からの受注等。
また、その前にはフォックスコンを通じてのアップル製品への金型提供とか。
これを言うと、また「風説」とか言われそうですけど。。
でも、アップル・ホンダ・HPはOPM自体が認めてることですから、特に隠すようなもんでもないと思います。
じゃあ、なんでこんな世界的な大企業が、OPMのような京都のベンチャー企業へ発注するようになったのか、物凄く疑問ですよね。

単に金属3Dプリンターで精度高い金型を作れるのがOPM250LやLUMEXだった、という問題でもないです。
それだけの理由なら、敢えてOPMの3Dプリンターを選択する必要はないです。
HPやアップル、ホンダ向けの金型ともなれば、精度は当然として、それがもたらす大きなメリットがなければ、協業するこは難しいでしょうから。

アップル・ホンダ・HPと言えば、世界中で知らない人は皆無です。
当然、売り込みに来る企業は何千社にも及びます。
そんな、膨大な企業の中からOPMを選択した理由はなんなんだろう???
多分、フォックスコン・パナソニック・ホンダとの関わりが大きかったと思います。
この3社はもう何年も前からの付き合いですから、世界的な情報網を持つアップル・HPが、OPMの持つ卓越したテクノロジーについての情報を得ていないはずがない。
まあ、フォックスコンからの紹介だったっていうのが真実だとは思いますが。

そんな巨大企業の製品に採用されるためには、確実なメリットが見込めないとダメですから、他者では実現できない「何か」が存在していたんです。
自分が聞いた話では、フォックスコンとは5〜6年、HPでも1年以上共同研究をしてます。
実はここで重要なのは、HPにしろフォックスコンにしろフィリップスにしろ、OPMに対し単純に金型を発注した訳ではなく、パラレルな立場としてコンフォーマルクーリングを配した超高精度の金型を一緒に開発したって言うことです。

いろんな見方があるとは思いますけど、主従の関係ではなく、HPやフィリップスがOPMテクノロジーを利用することが、企業にとって大きなメリットであると判断した結果が今回の受注に繋がったんだと思います。
そうでなければ、こんなに時間を掛けてわざわざ3Dプリンタ使って金型作ろうなって考えないでしょ。
時間を掛けてでも、この技術を利用する必要があると判断したからです。
自動車関連では「CFRP」等の炭素繊維を利用するための必須技術であり、アップルやHPでは、サイクルタイム短縮のために必要な技術だからです。
さらに、3Dプリンタを活用することは、HPやアップルでは「デジタル化」という意味でも避けて通れないですからね。

ここのブログで散々ぱら啓蒙している日本版「インダストリー4.0」へ向けた一つの準備だとも言えます。
森本社長は日頃から「金型に拘るつもりは毛頭ない」「すべてのOPM250Lを繋げる」と言っているように、「インダストリー4.0」で3Dプリンタが中心的な役割を果たすことは、誰よりも理解されています。
つまり、世界的な企業が京都の小さな企業と一緒に仕事をしたい理由は「明らかな戦略的な意図」があってのことです。
その意図が理解できれば、今後どんな展開が待っているのか、簡単に理解できますよ。
また、ソディックがそのために果たす役割りも小さくないです。
それは、資金・ネットワーク・技術等。
OPMが何の心配もなく世界に羽ばたくための最良のパートーナーとして、なくてはならない存在です。

目的はサイクルタイムの短縮と精度

その巨大企業が何を目的としてOPMテクノロジーを採用したのか。
ここの読者からすれば「コンフォーマルクーリング」だろ?って思ってるでしょうね。
まあ、その通りなんですけど、実はそれだけではないです。
先ほど、明確な差別化がなければ採用しないと書いたように、OPMには他社にはない何かがある。
上の企業を見ると、基本的に電子制御関連ですよね。
ということは、そこで利用される部品はすべて高精度が必要とされる。
一般的に金属3Dプリンタは、従来工法に比べ精度的に問題があるのではないかというのが、大方の意見です。
しかしながら、すでに電子制御に関わる部品の金型に利用されている時点で、この心配は杞憂です。
ただ、そのことが金属3Dプリンター全体の精度の高さを証明したことには、まったくならない。
もし、そうであれば、上の企業が時間を掛けてまで金属3Dプリンタ金型に使えるまで共同研究はしないはず。
一般論では精度的には問題が残る金属3Dプリンタでも、様々な経験・ノウハウ・技術を情報として3Dプリンタに吹き込むことで初めて「電子制御に堪えうる精度の金型」を造形することが可能になるんです。

何も知らない人は「デジタルの制御なんて、どこが作っても同じだろ」みたいな事を言いますが、それが全然違う。
デジタルと言っても、制御するのはソフトであり、そのソフトを作るのは人間です。
つまり、OPMテクノロジーというのは、そのまま「金型に堪えうる精度を実現するためのノウハウ」と言うこと。
これこそ、巨大企業がほしがる技術なんです。

単にコンフォーマルクーリングだけではOPM250L以外でも作ることはできますし、金属3Dプリンタであれば簡単です。
しかし、それだけではまったく使い物にならない。
金属3Dプリンタを、高精度でも使えるプリンタにしたかったために、フォックスコンとOPMが、長年研究を積み重ねたんですね。
つまり、まとめるとこういうこと。

  • 1 生産時のサイクルタイムの短縮は絶対に必要
  • 2 1のためには金型をコンフォーマルクーリングで造形する必要があるが、従来工法では不可能
  • 3 しかしながら、現状の3Dプリンタでは電子制御向けの制度を持つ金型造形も不可能
  • 4 これをソリューションするためには金型・CAMのノウハウを持つOPMラボしか無理
  • 5 将来的は生産現場へのデジタル化を考えても、金属3Dプリンタを一早く導入する必要がある。
  • 6 そのためにはOPMラボには、資金・ネットワーク・技術を持つパートナーが必要

という理由からOPMはソディックと一緒になったんです。

つまり、「戦略的な意図」というのは、OPM250L等のハードだけが目的ではなく、OPMテクノロジーと金属3Dプリンタの組み合わせでしか、目的とするサイクルタイムの実現ができなかった。
そのために、「京都の小さなベンチャー企業と共同研究しよう」ってことに各社がなったんです。

ご理解頂けましたでしょうか。

ソディック・OPMへ投資する訳

ちょっとDDSネタ。
一昨年かな、DDS株をメインにしてたときに「DDSの戦略」っていう書き込みをしました。
グーグルで検索すると出てきますから、読みたい方は是非。
今でも、そのときの予想は変わってませんし、実現間近であるとは思います。
しかし、如何せん世間との認識に大きな差があるのも確か。
日本の、セキュリティーに関する意識がまだまだ低い証拠かもしれないですね。
だから、どちらかと言うと、主戦場を世界にした方が早いかも。
そのためにはNOKNOKとの付き合い方がポイントだと思ってますが、DDSはちょっと行動が消極的すぎるように思います。

なんでソディックへ投資したのか

今日はDDSの話ではなく、ソディックを知って間もない方に、なんで自分がソディック株を持ち続けるのかを判りやすく説明したいと思います。
おそらく、昨年の初動時から持ち続ける投資家諸氏も、思いは共有しているはずです。

急騰のきっかけはOPM250Lの発売というニュースだったんですけど、自分がここへ投資した理由は、実はこれではないんです。
きっかけは、OPM社が出した以下のIR

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2014.07.22
US大手PCメーカは、弊社開発OPM-Stavax金属粉末材料製の
Conformal cooling insert を量産型として本格大量採用を致しました。

————————————————————————————-

正直、この意味するところが当初まったく理解できなかった。
但し、US大手PCメーカーにこんな会社が採用されるんだ、という少々DDSと似た雰囲気を感じ大いに興味を持ったんです。
それから、これについて調べまくって、その2日後ぐらいにソディック株を購入しました。
しかし、すべてを理解した訳じゃなくて、実は3ヶ月間このIRをずっと「持ち歩いた」んです。
なんだか、毎日この暗号と格闘していたように記憶してます。
ここのIRにはポイントがいくつかあります。

  • 1 大手USメーカーとはどこか
  • 2 stavaxとは何か
  • 3 Conformal cooling insertとは何か
  • 4 量産型とは何か

たった、2行のIRには4つもポイントがあります。
そして、これらを一つづつ紐解いていくことで、OPMラボなる会社がどんな会社なのかが序々に理解出来てきたんです。
最終的に解明できたのは、あのプラスチック展での社長との立ち話でしたけどw
大手USメーカーとは「HP」であり、Conformal cooling insertとはConformal coolingを配した金型だということ。
量産型とは100万ショットに耐え得る強度を持った金型であり、stavaxはその基本粉末だと。

それで、これらのことから何が読み取れるのか。
あのHPは今後3Dプリンターを事業の柱に据える予定である巨大企業であり、その会社が直接OPMと取引したこと。
そして、そのHPが、なぜOPMを採用したのか。
その理由は、コンフォーマルクーリングという生産革命に必須になる技術を認めたこと。
また、HPが認めその効果を確認したという事実は、すでにOPMという企業が世界企業になる可能性を秘めているかもしれないって思った次第。
少々時間を要しましたが、今後OPMラボが、世界でどういう立ち位置になるのか、なんとなく理解できました。

ソディック・OPMの思惑

そして、その後に自分が調べるテーマとして考えたのが、ソディックとOPMはどういう思惑で一緒になったのか。
これもプラスチック展での話で明らかになりました。
そもそも企業同士が一緒になるってことは、お互いの思惑が一致しないと無理です。
ソディックにもメリットがあり、OPMにもそれが必要です。
これを理解するキーワードは「ビジネスモデル」にありました。

現在3Dプリンターの世界には2社の巨人が存在します。
両社とも本拠地はアメリカです。
一つは3Dシステムズで、もう一社がストラタシス。
3Dシステムズのビジネスモデルは顧客に対し、3Dプリンターのソリューションを提案すること。
また、そのために3Dプリンターの関連企業を次々に買収しました。

一方のスタラタシス社のビジネスモデルはDDM事業。
DDMとは、いわゆる造形物を受注して納品するサービス事業。
OPMが目指すのがスタラタシスで、ソディックが目指すのは3Dシステムズです。
この話は間違いなく、森本社長は金子社長に伝えていると思います。
そして、今後、このDDM事業マーケットは途方も無く拡大することも。
また、OPMが提唱するマスカスタマイゼーションによって、DDMはすべてネットワーク化され、日本版インダストリー4.0のモデル事業になると思います。
ソディックはOPM250Lで造形された冷却水間入り金型を活用し、今まで弱点だった「射出成形機」の販売にも繋げる思惑です。
また、このデジタル工作機器を全面に打ち出して「インダストリー4.0」に対応していく姿勢をとってます。

結論として、ソディックとOPMは2つのビジネスモデルとインダストリー4.0への対応という意味から一緒になったんではないかと。

ほとんどの投資家は、こんな思いを無視して「日々の値動き」に一喜一憂していると思います。
しかし、この2社が近々どんなインパクトを世界に与えるのか、少し考えれば容易に想像できますよ。
大手も同じ事をやるから、そんなに簡単には事が進まないという方もいますが、それが「無理」であることは森本社長と金子社長のコンセンサスになってます。
なんでもかんでも真似できると思ったら大間違いですからw

ストラタシスの思惑

ストラタシス 日本進出を本格化

アルテックがリコーとDDM事業で業務提携って話でアルテック株はストップ高しました。
まあ、内容をろくに知らない人間が、よく買えるものだと。。。。
アルテックに投資した人間が、ここのブログを見ないことを願って、少しだけ解説します。
これは、ソディックOPMにも大いに関連することですから。

DDMとはDirect Digital Manufacturing
簡単に言えば、みんなのデジタル工場ですね。

アルテックの情報を見ても、具体的な情報はどこにもないので、リコーからの情報。
基本的にストラタシスの装置を10台設置して、ストラタシスの指導の下、DDM事業を展開しますってことです。
それで、営業はアルテックが担う。

おそらく、リコー側もすぐに利益が上がるとは思ってないでしょうね。
将来への布石です。
でも、この技術立国日本で、何が悲しくてストラタシスなんだと。
精度も違えば、レーザーも違うし、切削もできない。
まあ、金型の占めるウェートがさほど高くないからでしょうけど。
それか、この世界にもの凄く疎いかですね。

いきなり核心の話ですけど、今回の提携話のもとは「ストラタシス」だと思います。
知ってる方も多いと思いますけど、ストラタシスのビジネスモデルは「装置」の販売だけじゃなくて、このDDM事業なんです。
どちらというと、DDMがメインって感じ。
これが3Dシステムズと最も異なるところ。
3Dシステムズは3Dプリンター関連企業の買収と「ソリューション」で世界一に。
ストラタシスはDDM事業で世界一になりました。
まあ、3年後にはOPMとソディックが両方で世界一になってるかもしれないですけど ← ちょっと嘘入ってます。

さて、そのストラタシスがリコーを巻き込んでDDM事業に乗り出しました。
多くの方は「リコーとアルテック」に目が行くと思いますけど、自分は「ストラタシス」の戦略しか興味がありません。
基本的に日本で地盤のないストラタシスですから、日本へ進出するためには、どうしてもどこかと提携する必要がある訳です。
そのために、アルテックを通じてリコーへ話を持ち掛けたんでしょう。(たぶん)
それを証拠にリコーに対策本部ができたのが、昨年の9月。
それから半年でサービス開始ですから、リコーからすれば、まったくもって急な話だったんです。
ストラタシスからすれば、DDM事業のノウハウがある訳ですから、ほしいのは単純に「リコー」というブランドのみ。
そして、アルテックの役割は営業のみ。
いくら、DDMのノウハウをリコーがもっていたと言っても、DDMを生業としてる訳じゃないですからね。
つまり、今回の提携話は単にストラタシスが日本進出するにあたって、パートナーがほしかっただけの話です。
足固めのための戦略が今回の提携話ということです。
しかし、今回の話はOPMソディックにとってもいいことです。
DDMの存在を世に知らしめる絶好の機会になりますし。
別にライバルでもなんでもなくて、マーケット拡大のためには必要なことです。
さらには、現状ストラタシスとOPM250Lは完全に棲み分けができている状態ですし。
特に「金型」分野では、OPM250Lの精度が圧倒してて、切削できない装置ではそもそも勝負になりませんから。
まったくもって、今回の話はソディックOPMにとってメリットが大きいと思います。
ストラタシスは当然OPMの存在を知っています。
たぶん、森本社長とトップは面識があるはずです。
HPがOPMへ直接発注したもことも知ってるでしょうし。
両者が切磋琢磨することで、いよいよ第四次産業革命が始まりますよ。

【続】インダストリー4.0とソディックOPM

2009年の論文を再度考察

一昨日の続きです。
ものには順序やステップがあって、最終的な目的が存在します。
先日少しでだけここに書いたインダストリー4.0は方法論であって、目的ではないです。
当たり前ですが、企業にとっての最終目標は「利潤の最大化」ですよね。
どんなにかっこいい言葉でも、実際に利益が上がらなければ「空論」で終わりますから。
さて、OPMの森本社長はどのタイミングで「企業連携」を意識したのか。
紐解けば、2009年の金属光造形複合加工技術による精密金型製造技術開発と
ネットワーク企業連携の概要

http://www.opmlab.net/tech_paper/images/2009_plastics_age_11-1.pdf
という論文が最初だったと思います。
「企業間連携」システムという概念は、「OA」レベルでは、もう何十年も前からありますが、これが「工場間」というコンセプトになると、ほぼ日本では皆無だったんじゃないですか?
そもそも、工場内には秘密事項が多いですから。
そんな時代に森本社長はどこよりも先に企業連携・工場連携の重要性を説いてます。
ただ、この時点ではおそらく「必要に迫られた」っていうのが正直なところです。

金属3DPは高価な装置ですから、何台も導入することは現実的ではない。
しかも、金型という世界は「同時に複数の金型」を造形する必要がある。
だから、装置1台でだけで金型を造形しても、さほど需要がなく成長も望めない。
しかも、従来工法との組合せする部分もあるため、そのすり合わせも大変。
じゃあ、どうすれば効率的な運用ができるのか、という問いに対する答えが「複数の会社で連携して対処」するというものだったんです。
稼働率の問題や、ユーザーからの要求を満たすための方法論ですね。

本来、森本社長はIT関連企業出身ですから、「ネットワークやらデータベース」という世界も専門家なんです。
金型でもITでも専門家ですから、「生産とネットワークがどうすれば融合できるのか」を考える立場とすれば、これほど適した人間はいない。
インダストリー4.0が提唱される、2年も前の話です。
当時は「IoT」という概念はまだ存在してませんでしたから、逆に時代が森本社長に追いついた格好です。
インダストリー4.0では、生産に掛るすべての情報がインターネット経由で連携し、ビッグデータ・センサー・人工知能等の情報を共有しつつ生産機器が「考えて」生産する世界を目指しています。
これらは、コストの最小化・効率の極限化による「利潤の最大化」が目的です。
常にドイツの動向を意識している森本社長ですから、その辺の情報についても研究していることでしょう。
当然、2009年に考えた連携システムを、さらに発展させたシステムを考えているはずです。
まだ、日本では生産現場における「IoT」の活用は研究が始まったばかりですが、ソディックOPMでは「OPM250L」を活用した「連携システム」の実証実験がすでに進んでいます。
ちょっと面白いのは森本社長は、このIoTに関係する世界的なリーダーと繋がっているってことですね。
自分達が一番期待するのは、これらのリーダーと森本社長が実際にタッグを組んでもらうことです。
そうすれば、もの凄い相乗効果がうまれそうじゃないですか?
って言うか、すでに話が進んでいるかもしれないですよ。
それでは、おやすみなさい。

Zzzzzzzz…

インダストリー4.0 ソディックの思惑 かる〜く想像

かる〜くインダストリー4.0ネタ

昨年来、何度もここのブログでインダストリー4.0を紹介してきました。
3年前からドイツで提唱してきた、第四次生産革命(産業革命じゃないですよ)のことです。
生産における一大変革ですね。
簡単に言えば、生産現場をデジタル化するってことです。
すべての生産設備はインターネットに接続され、デジタルで管理できるようになると宣言したんです。
でも、そんなことは、すでにアメリカの個々の企業で実践されてますから、特段びっくりするような話でもないような気もします。
おそらく、近々そうなるであろうことは、誰しもが気付いていたことだと思いますから。
しかし、それを国家レベルで推進しようという意気込みが凄いじゃないですか。
国策で生産現場を全部デジタル化するぞ!ってことですからね。
工作機械の世界は、そもそも国境なんて存在しない中で仕事してますから、ドイツやアメリカの動向は常にチェック済みです。
ご想像の通り、すべての生産設備はインターネットに繋がって、プログラムされて目的のものが作られるって話です。
まさに、アトムの時代到来ですね。
そんな時代ですから、当然工作機械のメーカー各社はそれに向けた準備を始めてる訳です。
ということで、インダストリー4.0に向けたソディックの思惑を、ちょっとだけ考えます。

OPM250Lの立ち位置

OPM250Lが単なる「道具」だと思ったら大間違いですよ。
これこそ、インダストリー4.0の一翼を担う装置ですから。
言ってしまえば、「きっかけ」です。
ここで、誰かの言葉を思い出しませんか?
フォックスコンの会長テリーゴー氏の「3Dプリンターはギミック(仕掛け)だ」って言う言葉。
この言葉が深すぎて、当時のマスコミでは、いろんな憶測が飛び交いました。
今でもその真意ははっきりしないですけど、いろいろと周辺の情報を調べる中で、この言葉の真意を確信しました。
間違いなく、このインダストリー4.0発想です。
インダトスリー4.0の基本形はロボットと3Dプリンターですが、フォックスコンはロボドリルのファナック、3DPのOPMラボと、深い関係にあります。
そして、テスラへの部品供給とiCarの存在。
近々、フォックスコンはインダストリー4.0と同じコンセプトの工場を建てます。
つまり、「ギミック」とは今後始まるデジタルによる生産革命の仕掛けのことだったんです。
別に、ここで大袈裟に言うことでもなんでもなくて、そういう時代の入り口に立っているのは間違いないですから、当たり前の事を言っているだけです。早いか遅いかの違いです。
世界に冠たるフォックスコン・アップルですから、どの企業よりも先に生産革命を起こすであろうことは、容易に想像できましたよね。
そして、その一翼がOPM250Lになるかもって話です。

ソディックの思惑

それで、先日の日刊工業新聞に「マスカスタマイゼーション」という言葉が一部上場に際して使われました。
マスカスタマイゼーションというコンセプトは、インダストリー4.0の目的ですから、「手段」と「目的」の関係です。
つまり、ソディックはOPM250Lをその先頭バッター(きっかけ)に指定したってことです。
そして、OPMをどうしても傘下に治めたかった本当の理由、それは森本社長の「頭脳」です。
何年も前からマスカスタマイゼーションを提唱してきた森本社長のノウハウが、ソディックの今後を左右します。
単純に「金型」とか「金属3DP」という問題ではなくて、データをどのように活用するのかという、その先の話になっていることを意識する時期に来てますよ。
まあ、今日はこの辺で。。
おやすみなさい。。。
Zzzzzzzz

テスラが3Dプリンターを使う理由

テスラとフォックスコンとOPM

以下の内容は旧ブログの内容について、加筆したものです。
今後ブレイクするであろう、テスラモータースの3Dプリンターに対する考えを紹介した内容です。
ほとんどの人は、まったく知らない内容であると思いますが、テスラ・フォックスコン・OPMラインが描くビジョンが詳しく書かれています。

テスラモータースとは

前情報がなければ、なんのこっちゃって話になりますので、少しばかりテスラに関する情報を。
テスラとは、イーロンマスク氏率いるベンチャー企業で、電気自動車を製造販売してます。
このマスクという人物は、スティーブジョブスの生まれ変わりではないかと言われるぐらいのカリスマ性を持ってて、今後アメリカの製造業を代表する企業になるかもしれないってぐらい注目されてます。
基本的にIT出身ですから、自動車というよりも「走るスマホ」のイメージを持った方が分かりやすいかもしれませんね。
将来的ビジョンは「空飛ぶ自動車」らしい。。
アップルやその他のIT企業からテスラにドンドン人が流出している事実からも、この会社の末恐ろしさが分かります。
まあ、それは置いといて、実際にテスラは市販車ベースの電気自動車を製造販売してまして、今後メチャメチャ伸びると予測されてます。
ざっくりすぎる説明ですけど、要は、これから物凄い可能性を持った自動車メーカーってことです。

テスラはOPMテクノロジーを利用してるっぽい

OPMに関しては、あまりにも材料が多いので、投資家目線的には、少しお腹いっぱいかもしれないですね。
でも、ひとつの読み物としてはおもしろいと思います。

昨年のIPFでの社長とのやり取りで「テスラ」の話題になりました。
ほとんどの人はこの部分はスルーするネタかもしれないですけど、将来的な可能性で言うと、HP・アップル等のIT関連以上の相手です。
なんせ、電気自動車はガソリン車以上にプラスチック比率が高くなります。
そのため、利用される金型も多い。
さらには、金属を直接造形する部分もあるため、「金属3DP」にとってはまさに、ビッグマーケットです。
但し、今後多くの国内メーカーも電気自動車市場にドンドン進出してきますから、特にテスラに拘る必要はないんですけど、テスラが金型を含めた金属3DPをどう考えているのかを知ることは、ソディックOPMの成長を予測する上で重要な要素だと思います。
それで、そのIPF2014での話ですけど、実際にはこんな感じでした。

パッパ : 先日、フォックスコンがテスラへの部品供給のための工場を建てるって話がありました。その部品は3Dプリンターで作るんですか?

社長  : ああ、あれは自分が考えて提案した。

そんなあっさりとw
何をどう提案したのかはまったく不明ですが、少なくとも、テスラがOPMテクノロジーを利用してるっぽいということは理解できました。
その件以来、自分でも情報を探して回って、何回か記事にしています。
今回はその中で、テスラが3Dプリンターをどのように活用するのかが書かれたフォーラムがありましたので紹介したいと思います。

自動車・炭素繊維・3Dプリンターとの関係性

http://www.teslamotors.com/sv_SE/forum/forums/3d-printing-carbon-fiber-auto-industry

掻い摘んで言うと、以下の内容です。

  • 自動車部品は、今後炭素繊維が使われるようになる。
  • しかし、炭素繊維の加工方法は「金型の造形に時間を要し」、現在でも「労働集約的」方法である
  • そのため生産ラインの変更に数週間掛ることになる
  • この問題を解決するため、ハードシェルの部分は3DCADで設計する
  • これらの問題を解決するためには、すべての自動化、ロボット化、及び3Dプリンターの大型が必須となる

言わんとするところは、炭素繊維は自動車には必須であるが、現状では、そのための金型の問題や製造工程において、労働集約的であり問題が多い。
それを解決するためにはすべてを自動化するとともに3Dプリンターの大型化が必須となる。
って書いてます。

それで、これに対する大半の意見の多くは、今後の方向性として、生産ラインの多くに3Dプリンターを活用していくことは間違いなく、サイクルタイムの短縮にも貢献するが、サイズとスピードが問題だと。

これに対してのテスラ側の見解
ほとんどの意見には賛同しており、以下の説明が代表的な見解になってます。

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Meaning that if a process for automating building with carbon fiber can be developed then many different designs could be fabricated on the same assembly line.
The factory in essence then is one big 3D printer.
Again to DTsea you are correct but the drawback of machine stamping of parts has nothing to do with accuracy or the properties of the finished parts or even the speed in which the are manufactured.
The drawback is the immense expense of retooling every time you want to roll out a new model.
The opportunity with carbon fiber in the possibility that you wouldn’t need significant retooling in order to manufacture different models and that in fact you might be able to build one off models or manufacture individual cars on demand.
———————————

もし、炭素繊維で作られる自動車のプロセスが多くの異なるデザインを一つの組み立てラインで生産することができるならば、それはひとつの巨大な3Dプリンターの工場と言えます。
この意味するところは、従来からの生産方法を、すべてデジタル化することで、ひとつの生産ラインで、すべての自動車を生産することが可能となる。
今の生産ラインの問題は、モデルごとに発生する生産ラインの組み替えによる、莫大な費用だ。
炭素繊維を使える可能性として、生産ラインの組み替えなく、オンデマンドで自動車を生産することが可能になるかもしれない。
———————————————–

ただひとつ言えることは、テスラが考える工場とは、ひとつの生産ラインですべてのモデルを生産することで、そこの中には3Dプリンターとロボットしかいないというものです。

今更、従来工法で造形した金型を使うことはないし、金属部分も可能か限り3Dプリンターを活用するつもりだということです。
テスラがフォックスコンと提携した時点で、テリーゴウ氏の頭の中は森本社長の顔が浮かんだんじゃないですか?
テスラの工場がひとつの巨大な3Dプリンターだという発想である以上、その部品は必然的に3Dプリンターで造形された金型になるであろうし、金属部品も、3Dプリンターで造形される可能性が高くなる。
プラスチック造形までも3Dプリンターってのは、精度的・速度的に早計ですね。

オンデマンドで自動車を作るということは、在庫を持たないということになりますから。
さらに、金属3DPが高速化大型化すると、よりこの傾向は強くなってきます。

結論として、「早くOPM600L出せよ!テスラが全部買ってやるから」って感じ? ← 妄想全開wwwwww
まあ、テスラがOPMテクノロジーを活用してるかもしれないって考えただけで、酒が旨いです。

世界最強コラボ「OPM250L+CFRTP対応V-LINE射出成形機」

ソディックはOPM250Lだけじゃないぞ!

まあ、板はお祭り騒ぎのようで、今日一日ぐらいはいいのかな?って感じです。
株価はマーケットで決まりますが、今日自分が気にしていたのは「出来高」。
この価格は圧倒的に出来高が多いレンジです。
つまり、信用売りも買いも、ここに集中してますから、そう簡単に上抜けすることはないです。
だから、端からストップ高なんて期待してないし、しない方が絶対にいいと思ってました。
信用整理の方が重要です。
今日の出来高で、おそらく昨年来の信用整理は終了したように感じてます。

さて、東証一部へ昇格した場合、企業側と投資家側には双方にメリットがあります。
投資家からすると、言わずと知れた「INDEX」ですね。
GPIF対象となりますから、逆に思惑で買われることになります。
さらには、ソディックは国策中の国策銘柄で「ものつくり日本」の中心的存在ですから、GPIFからしても投資対象にしやすいのではないかと、淡い期待を持っています。
まあ、そんなことを期待するよりも、実際にここが大化銘柄だと一般投資家に認知してもらった方が、よほど価値があります。
そして、ソディックにとっても大いにメリットはあります。
・ 対外的信用
・ 従業員のモチベーション
・ 安定株主の増加

少なくとも自分が思うにメリットの方が圧倒的に多いと思いますよ。
とりあえず、一部昇格の感想はここまで。
それでは、今日の本題です。

ソディックはCFRP/CFRTPの隠れた関連企業

どうすれば、ソディック+OPMの可能性を上手く説明できるのか、本当に難しいですね。
特性上、どうしても技術的な話にならざる得ないですからね。
ここのブログでも、何度も同じ内容の説明をするのは、テーマを理解してもらうためには繰り返ししかないと思ってるためです。
それで、今日のテーマは、ソディック一部昇格記念として「CFRP及びCFRTP」を取り上げます。
今までずっと、OPM中心でしたけど、今日はこのテーマを少しだけ掘り下げます。

今年の大テーマ、炭素繊維強化プラスチック

以前から声高に叫んでますけど、なんでこれが大テーマになるのか。
わかりやすいのは「東レがボーイング社から1兆円規模の受注」ですかね。
CFRPはとても軽くて丈夫なんですけど、かなり高価です。
しかし、それでもボーイング社はその素材を採用したんです。
理由は簡単ですね。
軽くすることで燃費が格段に良くなりますから、ランニングコストを考えれば、絶対にその方がメリット大きい。
そして、同じ理由で今年から「自動車業界」にもその流れが来てます。
フォルクスバーゲン・アウディ・BMW等のドイツ勢はすでに市販者ベースで炭素繊維樹脂を採用しました。
まあ、高級車だからできるってことかもしれないですけど。
しかし、この流れを世界中の自動車メーカーが追随してます。
そのため、東レだけでなく、三菱レイヨン・帝人等の繊維の巨人達は、この分野を最大のターゲットに研究開発を進めています。
なんせ、マーケットが尋常じゃないですから。

そして最近(でもないですが)ではCFRPとは違って熱可塑性樹脂を母材としたCFRTPの開発が進んでいます。
CFRPよりも安価で素材を溶かして冷やし固めることが可能となる素材で、こちらの方が、量産性に優れています。
それで、そのCFRTPとソディックとはどんな関係なのかですが。
昨年来、何度も自分はソディックのIRに対し、この問題を投げ掛けてまいりました。
その度に丁寧な説明を頂戴しており、旧ブログにもそれは載せてます。
実は、ソディックには、OPM250Lとセットでの販売を目指す装置にV-LINE射出成形機があります。
OPM250Lばかりにスポットが当たりますけど、ソディックのもう一つの目的が、このCFRTPを射出成形できる装置の販売です。
そのために、IPF始め、すべての展示会で「炭素繊維系プラスチック用」の射出成形機を出品しています。
この装置の凄いところは、「CFRP及びCFRTP専用」の射出成形機ではなく、既存の装置にセット可能はアタッチメント仕様にしているところです。
今後益々膨らむ需要ですから、既存の装置がそれを使えないのではいかにも問題がありますよね。
東芝機械が「CFRTP」を混練し射出できる装置を発表しましたけど、ソディックは専用機でないところがすばらしい。
しかしながら、ソディックがCFRTP関連企業との認識はマーケットは「ゼロ」ですよ。
この辺りの宣伝下手は本当になんとかしてほしい。
しかし、よく調べればソディックはこの分野へ本気で参入するつもりであり、もしかすると、すでに装置が販売されているかもしれません。
射出成形分野はソディックの弱点と言われてましたが、これがうまく採用されるようになると、OPM250Lとの相乗効果がさらに高まります。
それも、最大のターゲットとしている「自動車業界」で。

なんでOPM250Lとの相乗効果が期待できるのか?

ソディックのパンフレットって基本的に業界人向けですから、なんで相乗効果が期待できるのかってわざわざ説明してません。しかし、私どものような素人は、その意味を俄に理解することは不可能です。
そこで、その理由を簡単に説明します。
知ってる方は読み流してください。
OPM250Lの主な造形対象は「金型」です。
そして、ソディックの開発した射出成形機はOPM250Lが造形した「金型」を使ってプラスチック等を成形します。
そのため、企業内にこの2種類の装置があれば、金型から部品までの一貫生産が可能となるため、「相乗効果」が期待できるってことです。
「なーんだ、そんなことなら誰でも知ってる」って言われそうですが、ちょっと待ってください。
実は、そんな単純な話でもないかもしれないですよ。
パッパ的発想は、もう少し先に行ってます。
この「CFRTP」なる素材は、長繊維(1mm)のまま成形しなくてならない素材なんです。
もし、射出成形時にそれが短くなると、「強度」がなくなって「製品」にならない。
そのため、v-LINEはその状態を保持したまま、射出することが極めて重要な要素になる。
また、V-LINEから射出された「CFRTP」は金型に収まった際、金型内部の温度を上げたり下げたりしながら「成形」する必要があるんです。
これは、様々な文献に書かれてあります。
だから、「CFRTP」用の金型は「温度」管理ができないと「使えない」ってことになりますよね。
そこで重要になるのが、「コンフォーマルクーリングテクノロジー」なんです。
ご存知のようにOPM250Lで造形した金型には「コンフォーマルクーリング」を配することができます。
それも、OPMのノウハウが詰まった水管です。
この水管を利用することで、金型内部の温度管理が可能になる。
但し、自動車で使う大型の部品はもう少し先になるでしょうね

理解できました?
簡単にまとめると以下のような感じ。

  • 1 自動車業界では炭素系樹脂のCFRTPが主流になる
  • 2 CFRTPを成形するためには、「温度管理」が必須だ
  • 3 2を実現するためには金型内部に3次元水管を配する必要がある
  • 4 CFRTPを射出成形できる装置が必要になる

自動車業界で利用する金型+射出成形、その役割を担う本命はズバリ!

「OPM250L+V-LINE」のコラボだ!

であってほしいなあ。
あくまでも可能性の話ですよ。