OPMの世界戦略
【森本ビジョン】


森本ビジョンとは

これは、昨年ブログで書いた内容について、現在の検地から修正・加筆を行ったものです。
今までの内容と重複する部分も多いですが、確認としてご一読ください。

さて、今まで相当の時間を掛けてOPMと金属3DPについて調べてきました。
まだ、マーケットはOPM自体をまったく理解もしていなければ、ソディックとの関係性も分かっていないようです。
ここの投資家は、ソディックからの事業報告書をご覧になられたと思います。
一言で言うと、「社運掛けてる」雰囲気を感じますよね。
でも、まだマーケットは黎明期で売り上げに占めるウェートなんて、微々たるもんです。
それでも、報告書にはOPM250Lが乱舞してます。

しかし、色々調べて見ると、今期以降どんなことが起きるのか結構簡単に予想できます。
ということで、今回は、OPMの戦略=森本ビジョンを考察したいと思います。

森本ビジョン6つの側面

森本ビジョンの6つの側面があると考えています。

  • 1 サービスビューロの世界展開
  • 2 自動車業界参入
  • 3 フォックスコン・HP等、世界中のスーパー企業群との連携
  • 4 金属粉ビジネスモデルの確立
  • 5 3DPデータのクラウド化による世界的ネットワークの確立
  • 6 金属3DPにおける世界標準

別に、この内容って、ほぼこのブログに書いてきたことなので、ここの読者からすればある意味「確認作業」ですね。

1 サービスビューロの世界展開

サービスビューロには2つの役割があります。
ひとつは、金型会社の下請けとしての役割。
そして、もうひとつが実際に装置を導入してもらう、あるいはもらった後のサポートセンターの役割。
金属粉を提供するOPMからすれば、装置を導入してもらっても、実際にサービスビューロ内で金型を造形しても利益が生まれますから、これほど「うまみのあるビジネスモデル」も少ないですね。

このサービスビューロを今後アジアを中心に世界中で展開する予定です。
言い方変えれば、ガンガン工場を建てるよって言ってるのと同意ですね。
これに関しては、ソディックが全面的にバックアップしますから、相当大きな展開になると思われます。

2 自動車業界参入

ソディックOPMのターゲットは間違いなく自動車です。
この理由を説明始めると、メチャメチャ長くなりますが、要点だけ。

 

  • ?3D Moldexへのコンフォーマルクーリングシステム標準搭載
  • ?ホンダとの連携
  • ?フォックスコンによるテスラへの部品供給

 

? 3D Moldexへのコンフォーマルクーリングシステム標準搭載

3D Moldexというのは、ほとんどの世界的自動車メーカーが取り入れている3次元シミュレーションシステムです。
業界で知らない人はいません。
この企業の本社は台湾なんですけど、その顧客群見たらびっくりしますよ。
そのシステムは名前の通り「金型を作るためにシミュレートすることが目的」です。
そこにOPMのコンフォーマルクーリングテクノロジーが搭載されたいうことは、将来的にプラスチックを金属3DPの金型で造形する際に、必然的にOPMを利用した方が有利だと認識してもらうことになります。
当然、EOSとかでもいいんですけど、色んな面で勝負にならないと思います。

 

 ? ホンダとの連携 

昨年のホンダが公開したコンフォーマルクーリングによる金型造形の特許もOPMが絡んでます。
金属3DPの大型化の目的も、その大半が自動車を念頭に置いているものと推察できます。
今、自動車業界は「コンフォーマルクーリング」の話がバンバン交わされているようですし、かなり一般的な言葉になるかもしれません。
この目的は以前にも書きましたが「CFRP」を利用するためです(断言!)。
そのために、早期にレーザー技術を高めた上での大型化が必須なんです。

まさに、一刻も早くって感じ。

 

  ? フォックスコンによるテスラへの部品供給

これはフォックスコンのGOU氏の「ギミック」発言からも分かりますね。
この発言の真意は「テスラ」を取り込むための「仕掛け」って意味だと思います。

 

  3 フォックスコン・HP等、世界中のスーパー企業群との連携

2とも関連しますが、現状でもOPMはHP・アップル・フォックスコンの仕事をしています。
これだけでも凄いんですけど、今後はもっともっと多くの企業と連携をするものと期待しています。
そして、そのキーワードが「サイクルタイムの短縮」です。
昨年のJIMTOFへ行かれて方なら気付いたと思いますけど、どこのブースへ行っても「サイクルタイムの短縮」が一つのキーワードのように掲げられていました。
この記事とデータを見ればいかにサイクルタイムが産業革命の中心かがわかります。

パナソニック

サイクルタイム

http://www.ptonline.com/articles/why-conformal-cooling-makes-ense#

サイクルタイムの削減=利益率の向上が数字として表れてますから。
そのサイクルタイムの減少をもっとも確実に実現できる技術がコンフォーマルクーリング(上のURL)なんですね。

アップルが欲しがるほどの技術ですから、森本社長が絶対的な自信を持つのも頷けます。

これを客観的にみれば、他の世界的な企業も当然OPMと取引したいと思うに違いない。
今年はドンドンそんな話が出てくるものと期待してます。

 

  4 金属粉ビジネス 

  

ソディックはOPMのためだけにOPM250Lを作っている訳じゃないですよね。
世界的に広がるソディックのネットワークやフォックスコンがらみの企業群も多数あります。
そして、そこで造形される金型の金属粉はすべてOPMが提供します。
しかも、売りっきりではなく、継続的に増えて行きます。
1台辺り0.7トンの、単純計算で700×2万5千円=1750万になります。
それが、60台計算で10億w
さらに松浦のLUMEXも対象です。
もう、笑いが止まらない。
それが毎年ドンドン増えるんですよ。
まさに濡れ手に粟のOPMビジネス。

 

  5 3DPデータのクラウド化による世界的ネットワークの確立 

  

アナログからデジタルに移行する場合に最も違う点です。
基本的にOPMはシステムを作る会社ですから、インターネットでのデータ共有は念頭に置いています。
例えば、アメリカのHP本社で3Dデータ作成し、そのデータをクラウドで管理。
そのデータを福井の工場で金型データに展開する。
そんなことは、すでに当たり前なんですけど、OPMはそのネットワークを世界中に広げる予定でいると思います。

 

  6 金属3DPにおける世界標準

  

すでにコンフォーマルクーリング技術については3D Moldexに標準搭載されていますから、この段階で世界標準と考えられます。
基本的に金型に関してはこのコンフォーマルクーリングを配したものになりますし、品質・精度の点から考えて、切削可能な複合加工でなければ正直厳しいですから。
どんなにEOSが凄いレーザーを開発しようが、アップルやHPが採用している時点で、確実に世界標準になります。

さて、ちょっと長くなりましたが、少しはOPMの戦略についてご理解いただけましたでしょうか。
途方もない高みに向けて、OPMから目が離せない。

OPMの世界戦略
【森本ビジョン】
」への4件のフィードバック

  1. 松浦社は2年程前からOPMの粉末材料使ってないですよ。両社の関係はとっくに切れてます。
    これだけ情報を発信するならもうちょっと調べて裏取った方がいいと思いますけどね。
    M社長の壮大な話を信じ過ぎて周りが見えなくなってしまってるんじゃないですか。

    1. 是非根拠を。
      松浦は、OPMに依存しないとCAMせえ動かないはずですけど。
      いまだにOPMのHPに「金属粉提供」とあるのは、虚偽表記となりますが。
      どうなんでしょうか。

    2. もし、使っていたら風説の流布に該当しますよ?それでもいいならいいですが、今日たしか逮捕されてましたよね。関係者だとなのってますが、掲示板に常駐している売りポジの人なのじゃないですかね?笑
      もし、風説ならば通報対象でしょうね

      http://greenmolding.org/japanese/solution/425

      上記greenmoldingのサイトでは、2013年10月5日更新のページにlumexとOPMの金属粉が記載され、詳しく説明されてます。両者の関係性がわかりますね。

  2. こんばんは。
    東新製作所が短期間でOPM250Lのオペレーションが出来るようになると良いですね。
    新規参入の障壁を取り除くためにも頑張って欲しいですし、応援しています。

    そして個人的にはソディックOPMで、検定認定制度を作って欲しい。
    熟練の技を、デジタルで超えて行く仕掛けとしても面白いと思っています。

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