【続】インダストリー4.0とソディックOPM


2009年の論文を再度考察

一昨日の続きです。
ものには順序やステップがあって、最終的な目的が存在します。
先日少しでだけここに書いたインダストリー4.0は方法論であって、目的ではないです。
当たり前ですが、企業にとっての最終目標は「利潤の最大化」ですよね。
どんなにかっこいい言葉でも、実際に利益が上がらなければ「空論」で終わりますから。
さて、OPMの森本社長はどのタイミングで「企業連携」を意識したのか。
紐解けば、2009年の金属光造形複合加工技術による精密金型製造技術開発と
ネットワーク企業連携の概要

http://www.opmlab.net/tech_paper/images/2009_plastics_age_11-1.pdf
という論文が最初だったと思います。
「企業間連携」システムという概念は、「OA」レベルでは、もう何十年も前からありますが、これが「工場間」というコンセプトになると、ほぼ日本では皆無だったんじゃないですか?
そもそも、工場内には秘密事項が多いですから。
そんな時代に森本社長はどこよりも先に企業連携・工場連携の重要性を説いてます。
ただ、この時点ではおそらく「必要に迫られた」っていうのが正直なところです。

金属3DPは高価な装置ですから、何台も導入することは現実的ではない。
しかも、金型という世界は「同時に複数の金型」を造形する必要がある。
だから、装置1台でだけで金型を造形しても、さほど需要がなく成長も望めない。
しかも、従来工法との組合せする部分もあるため、そのすり合わせも大変。
じゃあ、どうすれば効率的な運用ができるのか、という問いに対する答えが「複数の会社で連携して対処」するというものだったんです。
稼働率の問題や、ユーザーからの要求を満たすための方法論ですね。

本来、森本社長はIT関連企業出身ですから、「ネットワークやらデータベース」という世界も専門家なんです。
金型でもITでも専門家ですから、「生産とネットワークがどうすれば融合できるのか」を考える立場とすれば、これほど適した人間はいない。
インダストリー4.0が提唱される、2年も前の話です。
当時は「IoT」という概念はまだ存在してませんでしたから、逆に時代が森本社長に追いついた格好です。
インダストリー4.0では、生産に掛るすべての情報がインターネット経由で連携し、ビッグデータ・センサー・人工知能等の情報を共有しつつ生産機器が「考えて」生産する世界を目指しています。
これらは、コストの最小化・効率の極限化による「利潤の最大化」が目的です。
常にドイツの動向を意識している森本社長ですから、その辺の情報についても研究していることでしょう。
当然、2009年に考えた連携システムを、さらに発展させたシステムを考えているはずです。
まだ、日本では生産現場における「IoT」の活用は研究が始まったばかりですが、ソディックOPMでは「OPM250L」を活用した「連携システム」の実証実験がすでに進んでいます。
ちょっと面白いのは森本社長は、このIoTに関係する世界的なリーダーと繋がっているってことですね。
自分達が一番期待するのは、これらのリーダーと森本社長が実際にタッグを組んでもらうことです。
そうすれば、もの凄い相乗効果がうまれそうじゃないですか?
って言うか、すでに話が進んでいるかもしれないですよ。
それでは、おやすみなさい。

Zzzzzzzz…

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